25年度消費支出0・1%増も、エンゲル係数45年ぶり高水準
2025年度の家計消費支出は実質0・1%増となったものの、エンゲル係数が45年ぶりの高水準を記録し、食料品価格高騰の家計への影響が浮き彫りになりました。
総務省が発表した2025年度の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は前年度比で実質0・1%増となったことが明らかになりました。わずかながらも増加に転じた一方で、家計支出に占める食料費の割合を示すエンゲル係数は45年ぶりの高水準を記録し、食料品価格の高騰が家計に与える影響の深刻さが改めて浮き彫りになっています。
2025年度のエンゲル係数は、推計で28・5%程度に達したとみられており、これは1980年度以来の高い水準となります。この背景には、国際的な原材料価格の上昇や円安の影響による輸入食品価格の高騰、さらには国内の人手不足に伴う物流コストの上昇などが複合的に作用しています。
消費支出の内訳を見ると、食料費は前年度比で名目3・2%増加した一方、被服費や教養娯楽費などは減少傾向が続いています。これは家計が食料品の値上がりに対応するため、他の支出を抑制している状況を示しており、消費行動の変化が鮮明に現れています。
地域別では、都市部と地方部でエンゲル係数に差が生じており、特に地方部では30%を超える地域も報告されています。これは所得水準の違いに加え、食料品の流通コストが地方により多く転嫁されていることが要因とみられます。
年代別の分析では、高齢者世帯でエンゲル係数がより高くなる傾向が顕著で、年金収入に依存する世帯への影響が深刻化していることが懸念されています。特に単身高齢者世帯では、エンゲル係数が35%を超えるケースも散見されています。
こうした状況を受け、各地方自治体では食料品等価格高騰対応給付事業を実施するなど、家計支援策を相次いで打ち出しています。横浜市でも生活応援クーポンの配布を開始するなど、住民の生活負担軽減に向けた取り組みが広がっています。
今後の見通しについて、業界関係者は食料品価格の高止まりが当面続く可能性を指摘しており、エンゲル係数の高い水準も継続するとの見方が強まっています。家計の節約志向がさらに強まることで、食料以外の消費への影響も懸念され、経済全体の消費回復にとって重要な課題となっています。
