25年度消費支出、実質0・1%増 エンゲル係数は45年ぶり高水準
2025年度の家計調査で、実質消費支出が前年度比0・1%増となった。一方でエンゲル係数は45年ぶりの高水準に達し、食料品価格の上昇が家計を圧迫している状況が明らかになった。
総務省が発表した2025年度の家計調査によると、2人以上世帯の実質消費支出は前年度比0・1%増となりました。わずかながらプラス成長となったものの、伸び率は低水準に留まっており、家計の節約志向が続いていることが浮き彫りになりました。
注目すべきは、家計支出に占める食料費の割合を示すエンゲル係数が45年ぶりの高水準に達したことです。1980年代以降、日本のエンゲル係数は経済成長とともに低下傾向が続いていましたが、近年の食料品価格の高騰により上昇に転じています。
食料品価格の上昇は、国際的な原材料価格の高騰や円安の影響、さらには気候変動による農作物への影響などが複合的に作用しているとみられます。特に基礎的な食料品の価格上昇は、所得に関係なく全ての世帯に影響を与えるため、家計の実質的な購買力低下につながっています。
消費支出の内訳を見ると、食料費以外の分野では引き続き節約傾向が強く、娯楽費や被服費などの支出は抑制されています。これは、食料費の負担増により、その他の支出を削らざるを得ない家計の状況を反映しているとみられます。
世帯収入の動向についても、実質賃金の伸び悩みが続いており、物価上昇に賃金上昇が追いついていない状況が継続しています。この結果、家計は生活必需品への支出は維持する一方で、選択的な消費を控える傾向が強まっています。
エンゲル係数の上昇は、経済全体の消費構造にも影響を与える可能性があります。食料品以外の消費が抑制されることで、関連産業への波及効果も懸念されており、経済の好循環実現への課題となっています。
今後の見通しについて、専門家は食料品価格の動向と賃金上昇のバランスが重要になると指摘しています。持続的な経済成長のためには、実質賃金の改善とともに、食料品価格の安定化に向けた政策的な取り組みが求められる状況が続くものとみられます。
