政府は13日、旧姓使用の拡大に関する法案について、今国会への提出を見送る方針を固めました。関係者によると、残りの審議日程が窮屈であることを主な理由としており、慎重な検討が必要と判断したとみられます。
この法案は、結婚により姓を変更した人が、より幅広い場面で旧姓を使用できるよう制度を整備することを目的としていました。具体的には、各種公的手続きや民間サービスにおける旧姓使用の法的根拠を明確化し、社会全体での旧姓使用を促進する内容が検討されていました。
現在の制度では、住民票やマイナンバーカード、パスポートなどで旧姓併記が可能となっているほか、民間企業でも旧姓使用を認める動きが広がっています。しかし、法的な位置づけが曖昧な部分も多く、統一的な制度整備が課題となっていました。
今国会の会期は6月15日までの予定で、残り約1か月となっています。政府は他の重要法案の審議を優先する必要があると判断したもようです。また、旧姓使用の拡大については、社会への影響も大きいことから、十分な議論時間を確保したいとの考えもあるとみられます。
野党側からは「女性の社会参画を促進する重要な法案であり、先送りは遺憾」との声も上がっています。一方で、慎重派からは「制度設計には時間をかけるべき」との意見もあり、与党内でも温度差があるのが実情です。
政府は次期国会での提出を視野に、引き続き検討を進める方針です。旧姓使用をめぐる議論は、働く女性の増加や夫婦別姓に関する議論とも関連しており、今後の政治的な焦点の一つとなりそうです。関係省庁では、より実効性のある制度設計に向けて、民間企業や自治体との調整を続けるとみられます。
