日本経済団体連合会(経団連)は13日、政府に対して「科学技術立国戦略」に関する提言書を手交しました。この提言は、国際競争が激化する中で日本の科学技術分野における競争力強化を目的としたもので、産業界からの具体的な政策要望が盛り込まれています。
提言では、研究開発投資の拡充や人材育成の強化、産学官連携の推進などが主要な柱として位置づけられています。特に、デジタル技術やグリーン技術といった成長分野での国際競争力向上に向けた施策の必要性が強調されているとみられます。
日本の研究開発費は近年横ばい傾向が続いており、諸外国との競争において課題となっています。内閣府の統計によると、日本の研究開発費の対GDP比は約3.3%と高水準を維持している一方で、中国や米国などの主要国が投資を拡大する中、相対的な地位の低下が懸念されています。
また、科学技術分野における人材不足も深刻な課題となっています。文部科学省の調査では、理工系分野への進学者数が伸び悩んでおり、特に博士課程への進学者数は過去10年間で減少傾向にあります。産業界では、高度な専門知識を持つ人材の確保が困難になっているとの声が上がっています。
経団連の提言は、政府が策定を進める新たな科学技術基本計画にも影響を与える可能性があります。政府は来年度予算編成に向けて、科学技術政策の重点分野や予算配分の検討を進めており、産業界からの要望が政策立案に反映されるかが注目されます。今後、関係省庁との調整を経て、具体的な施策の実現に向けた取り組みが本格化するとみられます。
