米国上院は現地時間5月15日、暗号資産(仮想通貨)の包括的な規制法案「CLARITY法案」を可決しました。同法案は、これまで曖昧だったステーブルコインや分散型金融(DeFi)サービスに関する規制ルールを明確化することを目的としており、米国の暗号資産業界にとって大きな転換点となる可能性があります。
CLARITY法案(Clarifying Lawful Access to Regulated Industries in the Digital Economy Act)は、暗号資産事業者に対する監督体制を整備し、消費者保護を強化する内容となっています。特に注目されるのは、ステーブルコインの発行に関する規制で、発行者に対して準備資産の保全や定期的な監査の実施を義務付けています。また、DeFi(分散型金融)プロトコルについても、一定の条件下で規制対象とする枠組みが盛り込まれています。
同法案の可決により、これまで規制の不透明さから米国市場への参入を躊躇していた海外の暗号資産企業にとって、事業展開の道筋が明確になるとみられます。一方で、既存の暗号資産事業者は新たな規制要件への対応が求められることになり、コンプライアンス体制の強化が急務となります。
法案では、暗号資産の分類についても詳細に規定されています。ビットコインやイーサリアムなどの主要暗号資産については「デジタル商品」として位置付けられ、商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置かれます。一方、証券的性質を持つトークンについては、従来通り証券取引委員会(SEC)が規制を担当することが明文化されています。
業界関係者からは、規制の明確化を歓迎する声が上がっている一方で、規制要件の厳格さを懸念する意見も聞かれます。特に小規模なスタートアップ企業にとっては、新たな規制要件への対応コストが事業運営の大きな負担となる可能性が指摘されています。
CLARITY法案は今後、下院での審議を経て成立の運びとなります。下院では共和党が多数を占めており、法案の修正や審議の長期化も予想されますが、両党とも暗号資産規制の必要性については一定の合意があるとみられています。法案が成立すれば、施行までに18カ月の猶予期間が設けられる予定で、事業者には十分な準備時間が与えられることになります。
