米国防総省、OpenAIなどAI調達拡大へ 軍事利用の枠組み整備
米国防総省がOpenAIなどとのAI調達を拡大する方針を明らかにした。GenAI.milを通じて軍関係者や請負業者に生成AIサービスを提供する。
米国防総省が人工知能(AI)分野での調達を大幅に拡大する方針を明らかにしました。OpenAIを中心とした複数のAI企業との連携を強化し、軍事分野での生成AI活用を本格化させる動きです。一方で、AnthropicについてはAI調達から排除する方向で調整が進んでいるとされています。
国防総省は新たに「GenAI.mil」と呼ばれるプラットフォームを通じて、軍関係者や国防請負業者に生成AIサービスを提供する計画です。このシステムにより、機密性の高い軍事情報を扱いながらも、最新のAI技術を活用できる環境を構築することを目指しています。
OpenAIとの連携拡大の背景には、同社のGPT技術の軍事応用への期待があるとみられます。情報分析、作戦計画の策定、サイバーセキュリティ対策など、幅広い分野での活用が想定されています。国防総省は既に限定的な範囲でOpenAIのサービスを試験導入しており、その成果を踏まえて本格運用に踏み切る方針です。
一方、Anthropicについては軍事利用に対する同社の慎重な姿勢が影響しているとみられます。代わりにMythosと呼ばれる別のAIサービスの利用に向けた調整が進んでいるとの情報もあり、国防総省は複数のAIプロバイダーとの連携を模索している状況です。
米軍のAI導入は、中国をはじめとする他国との技術競争の激化を背景としています。国防総省は2023年度からAI分野への投資を大幅に増額しており、2026年度の関連予算は前年度比で30%以上の増加が見込まれています。特に生成AI技術については、従来の機械学習とは異なる新たな可能性を秘めているとして、重点投資分野に位置付けられています。
GenAI.milの運用開始により、米軍の作戦能力や情報処理能力の向上が期待される一方で、AI技術の軍事利用に対する倫理的な議論も高まっています。業界関係者からは、民間AI企業と軍事組織との連携が加速することで、AI技術の発展方向に大きな影響を与える可能性が指摘されています。今後、他の同盟国軍との技術共有や、民間分野への技術移転なども含めて、米国のAI戦略全体の動向が注目されます。
