参議院本会議で23日、防災庁設置法案について原田秀一議員による質疑が行われました。同法案は、現在複数の省庁に分散している災害対応機能を一元化し、より効率的な防災体制の構築を目指すものです。
防災庁設置法案は、内閣府の防災担当部門、国土交通省の河川・砂防部門、気象庁の一部機能などを統合し、新たな防災庁として再編することを柱としています。政府は同法案について、近年頻発する自然災害への対応力強化と、省庁間の連携不足解消を主な目的として掲げています。
現行の防災体制では、災害の種類や段階によって複数の省庁が関与するため、初動対応の遅れや情報共有の不備が課題となってきました。2024年の能登半島地震や、毎年のように発生する豪雨災害では、関係機関の連携不足が指摘される場面もありました。
防災庁が設置された場合、職員数は推計で約2万人規模となる見込みです。本庁機能は東京に置かれる予定ですが、地方の防災拠点についても全国に配置し、地域密着型の災害対応体制を構築する方針とされています。予算規模については、関係省庁からの移管分を含め年間約1兆円程度になるとみられています。
一方で、省庁再編には課題も指摘されています。既存の組織から機能を切り出すことによる業務の重複や空白、人事異動に伴う専門知識の継承問題などが懸念されています。また、地方自治体との連携体制についても、新たな調整が必要になる可能性があります。
参議院での審議は今後本格化し、来月中旬には委員会での詳細な質疑が予定されています。与党は今国会中の成立を目指していますが、野党からは拙速な審議への懸念も示されており、審議の行方が注目されます。法案が成立した場合、防災庁の発足は2027年4月が目標とされています。
