日弁連、生活保護基準18%引き上げ要求 物価高で受給者の生活困窮深刻化
日本弁護士連合会が生活保護基準の18%引き上げを求める要望書を提出しました。物価高騰により受給者の生活がさらに厳しくなっていることが背景にあります。
日本弁護士連合会(日弁連)は24日、生活保護基準の18%引き上げを求める要望書を厚生労働省に提出したと発表しました。物価高騰の影響で生活保護受給者の生活状況が深刻化していることを受けた措置で、基準額の大幅な見直しを求めています。
要望書では、受給者の実態調査結果として「5年間同じTシャツを着続けている」「生きるだけで精一杯」といった深刻な生活実態が報告されています。食費や光熱費、衣類費などの基本的な生活費用において、現行の保護基準では最低限の生活維持が困難な状況が明らかになったとしています。
総務省の家計調査によると、2024年の消費者物価指数は前年同期比で約3%上昇している一方、生活保護基準は2013年以降段階的に引き下げられており、実質的な購買力の低下が続いています。特に食料品価格の上昇率は5%を超えており、受給者の食生活に深刻な影響を与えているとみられます。
現在の生活保護受給者数は全国で約205万人(2024年12月時点)となっており、高齢者世帯が全体の約55%を占めています。日弁連では、現行基準では憲法第25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の維持が困難になっているとの見解を示しています。
厚生労働省では5年に一度、生活保護基準の見直しを行っており、次回は2025年度に予定されています。ただし、基準の引き上げには予算措置が必要で、国と地方自治体の財政負担増加が課題となっています。関係者によると、18%の引き上げが実現した場合、年間で数千億円規模の予算増が必要になるとみられます。
今回の日弁連の要求について、厚生労働省は「関係部局で内容を精査し、適切に対応を検討したい」としています。今後、社会保障審議会での議論や、来年度予算編成過程での検討が注目され、セーフティネットの在り方を巡る議論が活発化することが予想されます。
