高市早苗首相は26日、補正予算の編成について、これまでの「不要」との立場から一転して「必要」との認識を示しました。首相官邸で記者団に対し、中東情勢の悪化に伴う対応措置を理由として挙げ、政府として追加の予算措置を検討する方針を明らかにしました。
高市首相は今年3月の国会答弁で「現時点では補正予算の必要性は認められない」と述べていました。また、4月の記者会見でも「既存の予算枠内で対応可能」との見解を示していたため、今回の方針転換は政府内でも注目を集めています。
方針変更の背景には、中東地域における情勢の急激な悪化があるとみられます。関係者によると、在外邦人の安全確保や石油価格の高騰対策、さらに人道支援の拡充などが補正予算の主要な使途として検討されているということです。政府は具体的な予算規模について明言を避けていますが、数千億円規模になる可能性があるとの観測も出ています。
野党側は首相の発言の一貫性を問題視する構えを見せています。立憲民主党の幹部は「場当たり的な政策運営」と批判し、国会での追及を検討していると報じられています。一方、与党内では「情勢の変化に柔軟に対応した適切な判断」として理解を示す声が多いとされています。
財政規律を重視する専門家からは懸念の声も上がっています。業界関係者は、補正予算の編成が恒常化することで、当初予算の精度が低下し、財政の透明性が損なわれる可能性を指摘しています。また、国債発行額の増加による長期金利への影響も注視されています。
政府は今後、補正予算案の詳細な検討に入り、6月中旬をめどに閣議決定する方針とみられます。臨時国会の召集時期や会期についても与野党間での調整が本格化することが予想され、夏の政治日程に大きな影響を与える可能性があります。中東情勢の展開次第では、補正予算の規模がさらに拡大することも想定されており、政府の財政運営手腕が問われることになりそうです。
