東京23区の消費者物価、5月1.3%上昇 水道無償化で伸び率縮小
総務省が発表した東京23区の5月中旬速報値によると、消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比1.3%上昇となった。水道料金の無償化施策により伸び率は前月から縮小した。
総務省が29日発表した東京23区の5月中旬速報値によると、消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比1.3%上昇となりました。4月の1.6%から0.3ポイント縮小し、3カ月連続で伸び率が鈍化しています。これは一部自治体で実施された水道料金の無償化施策が主な要因とみられています。
品目別では、エネルギー関連が引き続き物価上昇を牽引しています。電気代は前年同月比で3.2%上昇、ガス代も2.8%の上昇となりました。一方、水道・下水道料金は無償化施策の影響で前年同月比で大幅に下落し、全体の物価押し下げ要因となっています。
食料品分野では明暗が分かれる結果となりました。コメ類は豊作による供給増加を背景に前年同月比で1.8%下落し、物価上昇の抑制に寄与しました。しかし、調味料や冷凍食品などの加工食品は原材料費の高騰により2.5%程度の上昇が続いています。
サービス分野では、外食産業で人件費上昇を背景とした価格転嫁の動きが継続しています。外食は前年同月比で2.1%上昇となり、特にファストフード業界では3%を超える上昇率となっています。宿泊料も観光需要の回復により4.2%の大幅上昇となりました。
地域間格差も注目されています。23区内でも水道無償化施策を実施した区とそうでない区で物価動向に差が生じており、施策実施区では全体の物価上昇率が1%程度にとどまる一方、未実施区では1.5%を超える上昇が続いているとの推計もあります。
今回の結果について、経済専門家からは慎重な見方が示されています。水道無償化による一時的な押し下げ効果を除けば、基調的なインフレ圧力は依然として強く、特にサービス業での人件費上昇圧力は継続しているとの分析が多数を占めています。
今後の見通しとしては、6月以降も水道無償化施策の効果により物価上昇率は1%台前半で推移する可能性が高いとみられています。ただし、秋以降は施策の効果が一巡するとともに、エネルギー価格の動向や賃金上昇の波及効果により、再び上昇率が高まる可能性も指摘されており、政府の物価対策とあわせて注視が必要な状況です。
