食品消費税、2027年4月に1%引き上げ軸に検討
政府は食品分野の消費税率を2027年4月から現行の8%から9%に引き上げる方向で検討に入った。社会保障制度の持続可能性確保が目的とされている。
政府は食品分野に適用されている軽減税率について、2027年4月から現行の8%から9%に1%引き上げる方向で検討に入ったことが関係者への取材で分かりました。高齢化の進展に伴う社会保障費の増大に対応するため、安定的な財源確保が必要と判断したとみられます。
現在の消費税制度では、酒類と外食を除く飲食料品に8%の軽減税率が適用されており、標準税率の10%との差は2%となっています。今回の検討案では、この軽減税率部分を1%引き上げることで、標準税率との差を1%に縮小する方針です。
財務省の試算によると、食品消費税の1%引き上げにより、年間で約1兆2000億円の税収増が見込まれるとされています。この財源は主に医療・介護分野の社会保障制度の安定化に充当される予定で、特に2025年以降に急激な増加が予想される後期高齢者医療費への対応が急務となっています。
一方で、家計への影響も懸念されています。総務省の家計調査データに基づく推計では、4人世帯の平均的な食費支出を月8万円とした場合、年間で約9600円の負担増となる計算です。特に食費が家計に占める割合が高い低所得世帯への影響が大きいとの指摘もあり、政府は何らかの負担軽減策も併せて検討する必要があるとみられます。
消費税制度をめぐっては、2019年10月に標準税率が8%から10%に引き上げられた際、食品などに軽減税率が導入された経緯があります。当時も家計負担への配慮から軽減税率の維持を求める声が強く、今回の引き上げ検討についても各方面から様々な意見が出ることが予想されます。
政府は今後、与党内での調整を経て、年末の税制改正大綱に方針を盛り込む予定です。ただし、国民生活への影響が大きいことから、実施時期や負担軽減策について慎重な検討が続けられるものとみられ、最終的な制度設計には時間を要する可能性があります。経済情勢や家計の動向を見極めながら、社会保障制度の持続可能性と国民負担のバランスを図る議論が求められています。
