実質賃金4カ月連続プラス、4月は1.9%増 物価上昇の鈍化が背景
厚生労働省が発表した4月の実質賃金は前年同月比1.9%増となり、4カ月連続でプラスを記録しました。物価上昇の鈍化が主な要因とみられています。
厚生労働省が6月5日に発表した毎月勤労統計調査によると、2026年4月の実質賃金は前年同月比1.9%増となり、4カ月連続でプラスを記録しました。実質賃金の継続的な上昇は、働く人々の生活水準改善を示す重要な指標として注目されています。
4月の現金給与総額(名目賃金)は前年同月比で2.1%増の28万5,000円程度となったとみられ、基本給にあたる所定内給与も堅調に推移しました。一方、消費者物価指数の上昇率が前年同月比0.2%程度に鈍化したことで、物価変動の影響を除いた実質賃金の改善幅が拡大したとみられます。
業種別では、製造業や情報通信業、金融・保険業などで賃金上昇が顕著でした。特に中小企業においても賃上げの動きが広がっており、企業規模による格差の縮小傾向が確認されています。パートタイム労働者の時間当たり給与も前年同月比で1.8%程度上昇したとみられ、非正規雇用者にも恩恵が及んでいることがうかがえます。
実質賃金の改善背景には、政府の賃上げ促進政策や労働市場の需給逼迫があります。企業の人材確保競争が激化する中、基本給の引き上げや手当の充実を図る動きが加速しています。また、エネルギー価格の安定化や食料品価格の落ち着きも、物価上昇圧力の緩和に寄与しているとみられます。
一方で、地域間や業種間での格差は依然として存在しており、全ての働く人々が等しく恩恵を受けているとは言い切れない状況です。特に接客・サービス業などでは、まだ十分な賃金上昇に至っていない企業も多く、今後の課題として残されています。
今後の見通しについて、専門家は慎重な見方を示しています。世界的な経済情勢の変化や原材料価格の動向によっては、再び物価上昇圧力が高まる可能性もあり、実質賃金の持続的な改善には継続的な取り組みが必要とされています。政府は引き続き賃上げ促進策を推進し、企業の収益性向上と賃金上昇の好循環を目指すとしており、今後数カ月の動向が注目されます。
