コメ消費額がパン上回る、12年ぶり逆転 食費高騰が影響
家計におけるコメの消費額が12年ぶりにパンを上回ったことが明らかになりました。食費高騰の影響で消費パターンに変化が生じているとみられます。
家計におけるコメの年間消費額が、12年ぶりにパンの消費額を上回ったことが明らかになりました。食費の高騰が続く中、消費者の食生活パターンに大きな変化が生じているとみられます。
総務省の家計調査によると、2025年の1世帯当たりのコメ年間消費額は推計で約3万2000円となり、パンの約3万1000円を上回ったとみられます。コメがパンを上回るのは2013年以来12年ぶりの逆転現象です。2014年以降、パンの消費額がコメを上回る状況が続いていました。
この逆転現象の背景には、食材価格の高騰があります。小麦粉の国際価格上昇や円安の影響により、パンや麺類の価格が大幅に上昇しました。一方、国産米は比較的価格が安定しており、消費者がコストパフォーマンスを重視してコメ中心の食生活にシフトしているとみられます。
食費全体に占める割合でも変化が見られます。コメの支出割合は前年比で約1.2ポイント上昇し、全体の約8.5%に達したとみられます。対照的に、パンの割合は約0.8ポイント低下し、約8.2%となっています。この傾向は特に子育て世帯や高齢者世帯で顕著に表れています。
農林水産省の関係者は、この消費パターンの変化について「食費節約志向の高まりが、伝統的な日本の食生活への回帰を促している可能性がある」と分析しています。また、健康志向の高まりも、精製度の低い玄米や雑穀米の消費増加につながっているとみられます。
小売業界では、この消費動向の変化を受けて商品構成の見直しが進んでいます。大手スーパーチェーンでは米飯コーナーの拡充や、冷凍おにぎりなどの関連商品の品揃えを強化する動きが広がっています。一方、パン業界では価格据え置き商品の開発や、小容量パックの投入で対応を図っています。
今後の見通しについて、業界関係者は「食材価格の動向次第では、この傾向がさらに定着する可能性がある」と指摘しています。コメ消費の回復は国内農業にとって追い風となる一方、食生活の多様性確保も重要な課題として注目されています。消費者の食費節約志向と健康意識の高まりが、今後の食品市場の構造変化を左右する重要な要因となりそうです。
