NTT、NVIDIA追いIOWN経済圏構築へ AIデータセンター通信基盤を狙う
NTTがNVIDIAを追う形でIOWN経済圏の構築を本格化させています。AI向けデータセンターの通信基盤市場への参入を狙います。
NTTが次世代通信技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」を軸とした経済圏構築を加速させています。同社は特にAI向けデータセンターの通信基盤市場において、半導体大手NVIDIAに対抗する戦略を本格化させる方針を明らかにしました。
IOWNは光技術を活用した革新的な情報通信基盤で、従来の電気信号による通信と比較して大幅な省電力化と高速化を実現する技術です。NTTは2030年までにIOWN技術の商用化を目指しており、特にAIの学習や推論処理で大量のデータ通信が必要となるデータセンター分野での活用を重視しています。
現在、AI向けデータセンター市場ではNVIDIAが高性能GPU(画像処理半導体)で圧倒的なシェアを持っています。NVIDIAの2024年度売上高は約610億ドル(推計)に達し、そのうちデータセンター向けが約470億ドルを占めるとみられています。
一方、NTTが狙うのは通信基盤の部分です。AI処理では複数のGPU間での高速データ通信が性能のボトルネックとなることが多く、光技術を活用したIOWNによってこの課題を解決できる可能性があります。従来の電気通信と比較して、消費電力を100分の1程度に削減できるとの試算もあります。
NTTはIOWN技術の普及に向けて、国内外の企業との連携も強化しています。既にソニーやトヨタ自動車、インテルなど約130社がIOWNグローバルフォーラムに参加しており、技術標準化や実用化に向けた取り組みを進めています。
業界関係者によると、AI市場の急拡大に伴い、データセンターの電力消費量が大幅に増加していることから、省電力技術への注目が高まっています。特に環境負荷軽減の観点から、光技術を活用した次世代通信基盤への期待は大きいとされています。
今後、NTTがIOWN経済圏の構築を成功させるかは、技術の実用化スピードと競合他社との差別化がカギとなりそうです。AI市場の成長が続く中、通信基盤分野での新たな競争が激化することが予想されます。
