生成AI(人工知能)ブームの拡大により、AIインフラの構築に必要な銅とアルミニウムの需要が世界的に急増していることが、業界関係者への取材で明らかになった。データセンターの建設ラッシュやAIチップの生産増加が主な要因とみられ、両金属の価格は高水準で推移している。
銅は高性能GPUや量子コンピューターの冷却システム、データセンター内の配線に大量に使用される。また、アルミニウムはサーバーラックやAIチップのヒートシンク材料として重要な役割を果たしている。業界関係者によると、大規模なAIデータセンター1施設の建設には、従来型データセンターの約3倍から5倍の銅が必要とされるという。
国際銅研究会(ICSG)の推計によると、2024年のAI関連での銅需要は前年比約40%増加したとみられる。この傾向は2026年に入っても継続しており、特にアジア太平洋地域でのAIデータセンター建設が需要を押し上げている要因として挙げられている。
一方、供給面では課題も浮上している。主要な銅産出国であるチリやペルーでは、鉱山の老朽化や環境規制の強化により、新規開発が難航しているとの報道もある。アルミニウムについても、中国以外の生産国での供給能力拡大が追いつかない状況が続いている。
この金属需要の急騰は、AI企業のインフラ投資コストにも影響を与えている。専門家は、銅やアルミニウムの調達コスト上昇により、AIサービスの運営費用が押し上げられる可能性があると指摘している。また、材料不足がAIインフラの拡張スピードを制約する要因になりうるとの見方もある。
今後の見通しについて、金属市場の専門家は「AIブームが続く限り、銅とアルミニウムの需要は高水準を維持する」との見解を示している。一部の大手AI企業では、安定的な材料調達のため、鉱山会社との長期契約を検討する動きも出始めており、AI産業の発展と資源確保の関係がより密接になっていくとみられる。
