高市早苗首相は13日午前、今月開催予定のG7サミット(主要7カ国首脳会議)出席のため、欧州歴訪に出発しました。政府関係者によると、首相は会議でレアアースなど重要鉱物の共同備蓄体制構築を提唱する方針で、輸出規制を強める中国を念頭に、サプライチェーン(供給網)の安定化を目指します。
今回のサミットでは、エネルギー調達問題が主要議題の一つとなる見通しです。特に、電気自動車のバッテリーや半導体製造に不可欠なレアアース、リチウム、コバルトなどの重要鉱物について、各国が連携して備蓄体制を整備することで、特定国への依存リスクを軽減する狙いがあります。
中国は世界のレアアース生産量の約6割を占めるとされ、近年、地政学的な影響力を背景に輸出規制を強化する傾向にあります。昨年以降、ガリウムやゲルマニウムなど半導体関連材料の輸出管理を厳格化しており、日本を含む各国は代替調達先の確保や戦略物資の備蓄強化を迫られています。
政府関係者によると、日本が提唱する共同備蓄構想では、G7各国が分担して重要鉱物を備蓄し、緊急時には相互融通できる仕組みの構築を想定しています。また、アフリカや南米など資源国との関係強化や、リサイクル技術の共同開発なども議論される可能性があります。
今回の欧州歴訪では、サミット前後にドイツ、フランスなどとの二国間首脳会談も予定されており、重要鉱物の安定調達に向けた具体的な協力体制について、個別に意見交換を行う見通しです。経済安全保障の観点から、各国との連携強化が重要課題となっています。
今後、G7での議論を踏まえて、重要鉱物の共同備蓄に関する具体的なロードマップや実施体制の検討が進む可能性があります。日本としては、国内産業の競争力維持と安定的な資源確保の両立を図りながら、国際協調による経済安全保障体制の構築を目指す方針です。
