高市総理は6月15日、英国のキア・スターマー首相との首脳会談を行い、英国を「いわば『準同盟国』」と表現して両国の戦略的パートナーシップの重要性を強調しました。この会談は、日英両国の安全保障協力の一層の深化を目指すものとして注目されています。
今回の首脳会談では、インド太平洋地域における安全保障環境の変化を踏まえ、両国の防衛協力の拡大について議論が行われました。特に、サイバーセキュリティ、宇宙防衛、新興技術分野での協力強化が重要議題として取り上げられたとみられます。
日英両国は2022年1月に日英円滑化協定(RAA)に署名し、自衛隊と英軍の相互運用性向上を図ってきました。さらに、2023年12月には次期戦闘機の共同開発を含む「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」にイタリアを加えた3か国で推進することを正式決定するなど、防衛協力は着実に進展しています。
「準同盟国」という表現について、外務省関係者は「正式な同盟関係とは異なるが、戦略的利益を共有し、安全保障面で緊密に連携する特別なパートナー」との位置づけを示唆しています。これは、従来の「戦略的パートナーシップ」からさらに踏み込んだ関係性を表現したものとみられます。
経済面では、両国は2020年10月に発効した日英包括的経済連携協定(EPA)を基盤として、貿易投資関係の拡大を図っています。2025年の二国間貿易額は推計で約2兆円規模に達し、英国の環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)加入により、さらなる経済関係の深化が期待されています。
今回の首脳会談では、気候変動対策やエネルギー安全保障についても議論が行われました。両国は2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、洋上風力発電技術や水素エネルギー分野での協力を推進していく方針を確認したとみられます。
今後、日英両国は「準同盟国」という新たな関係性の下で、定期的な外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の開催頻度を高め、実務レベルでの協力体制をさらに強化していく見通しです。特に、来年予定されている日英防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた協議が加速するものと予想されます。
