日経平均が9日ぶりに反落、AI半導体銘柄に利益確定売りが集中
6月24日の東京株式市場で日経平均株価が9営業日ぶりに反落し、7万円を割り込んだ。急騰を続けてきたAI半導体関連銘柄を中心に利益確定売りが広がった。
6月24日の東京株式市場で、日経平均株価が9営業日ぶりに反落し、節目とされる7万円を下回って取引が推移しました。ここ数週間にわたって上昇基調を維持してきたAI(人工知能)関連の半導体銘柄を中心に、投資家による利益確定売りが集中したことが主な要因とみられます。9日連続で上昇を続けてきた相場の過熱感を警戒する動きが、市場全体に広がりました。
今回の下落は「AI半導体総崩れ」とも表現されており、国内外の主要なAI・半導体関連銘柄が軒並み下落しました。これらの銘柄は今年に入ってから急激な値上がりを見せており、短期的な過熱感への警戒が以前から市場関係者の間で指摘されていました。今回の反落は、そうした警戒感が一気に顕在化した形といえます。
背景には、国内外のAIブームによる株価の急騰があります。2025年後半から2026年にかけて、生成AIや物理AI(フィジカルAI)関連の技術・サービスへの期待が高まり、関連企業の株価は大幅に上昇してきました。日経平均が7万円台に乗せる原動力となったのも、こうしたAI関連銘柄の牽引によるものとみられています。
金融業界でもAI株への関心は高く、モルガン・スタンレーが「フィジカルAI株式ファンド」を設定・運用していることはその象徴的な例です。フィジカルAIとは、ロボットや自律走行システムなど現実世界で動作するAI技術を指し、次世代の成長領域として注目されています。こうした投資商品の登場は、機関投資家から個人投資家まで幅広い層のAI株への資金流入を促してきました。
一方、急速な株価上昇に伴うリスクについて、市場関係者の間では懸念も示されていました。AI関連企業の実際の収益や事業進捗が株価水準に追いついていないとの見方もあり、今回の利益確定売りはこうした「バリュエーションの乖離」に対する市場の自律的な調整とも解釈できます。今後も短期的な上下動が続く可能性があるとみられています。
また、AI技術そのものの進化も加速しています。国内のAI研究機関Sakana AIは、複数のタスクを単一モデルで処理できる新技術「Sakana Fugu」を発表しており、「一つのモデルですべてを制御する」というコンセプトが業界内で注目を集めています。こうした技術革新の動向は、中長期的な企業価値の向上につながる可能性があり、AI株の投資テーマとしての持続性を支える材料と考えられています。
今後の見通しについては、AI関連技術の実用化・収益化がどのペースで進むかが株価動向の鍵を握るとみられます。短期的には利益確定売りによる調整局面が続く可能性もありますが、フィジカルAIや次世代半導体への構造的な需要は依然として強いとの見方が多く、市場参加者は企業ごとの業績動向や技術開発の進捗を見極めながら投資判断を行う展開となりそうです。
