愛知「あいち健康の森公園」にPark-PFI活用の新施設オープン
愛知県が管理する「あいち健康の森公園」に、Park-PFI制度を活用した新たな公共空間「カラダうごかす森 Harappa」がオープンします。民間活力を取り入れた健康増進型の公園づくりとして注目を集めています。
愛知県知事が会見で発表したところによると、県が運営する「あいち健康の森公園」(大府市・東浦町)に、Park-PFI制度を活用した新たな公共空間「カラダうごかす森 Harappa」がオープンする見通しです。Park-PFIとは、民間事業者が公園内に収益施設を整備・運営し、その収益を公園の整備・維持管理に還元する仕組みで、2017年の都市公園法改正によって導入された制度です。全国各地の公園整備においてこの制度の活用事例が増えており、愛知県でも積極的な導入が図られています。
「あいち健康の森公園」は、健康づくりをテーマに掲げた県立公園です。隣接する「あいち健康の森」には健康科学総合センターや医療機関も設置されており、地域住民の健康増進拠点として長年にわたり機能してきました。今回オープンする「カラダうごかす森 Harappa」は、その名称が示すとおり、利用者が身体を動かすことを楽しみながら健康維持・増進を図れる空間として設計されているとみられます。
Park-PFI制度の最大の特徴は、公費負担を抑えながら民間のノウハウやデザイン力を公共空間に取り込める点にあります。事業者は飲食施設やフィットネス関連の商業機能を設けることで収益を確保し、その一部を公園の環境整備費用として還元する仕組みです。結果として、行政単独では実現しにくい質の高い空間づくりが可能になるとされており、全国の自治体から関心を集めています。国土交通省の集計によると、2024年度末時点でPark-PFIの公募設置管理制度を活用した事例は全国で200件超(推計・報道ベース)に達しているとみられます。
健康をテーマにした公園整備の需要は、高齢化社会の進展とともに高まっています。厚生労働省の統計によると、日本人の平均寿命は男性が81歳台、女性が87歳台で推移しており、いわゆる「健康寿命」との差を縮めることが社会的課題となっています。フレイル(加齢による心身の虚弱状態)や認知症の予防においては、日常的な身体活動が有効であることが医療・介護の専門家の間で広く認識されており、気軽に運動できる屋外空間の整備はその後押しになると期待されます。
愛知県は製造業を中心とした産業県というイメージが強い一方、健康寿命の延伸に向けた施策にも力を入れています。「あいち健康の森」が位置する大府市・東浦町周辺エリアは、医療・福祉・健康関連の研究機関や施設が集積するゾーンとして知られており、今回の新施設オープンはこうした地域の特性をさらに生かす取り組みとも位置づけられます。
近年、公園を単なる「憩いの場」から「積極的な健康づくりの場」として再定義する動きは全国的な潮流となっています。Park-PFIを活用した民間事業者の参入により、専門的なフィットネスプログラムや健康イベントなど、行政単独では提供しにくいサービスが公園内で展開される事例も増えてきました。「カラダうごかす森 Harappa」の開業が、地域住民の日常的な運動習慣の定着にどこまで貢献できるか、今後の運営状況が注目されます。
今後は、同様のコンセプトを持つ健康型公園施設が全国のほかの地域でも広がっていく可能性があります。少子高齢化が進むなか、医療費や介護費の抑制に向けた「予防」への社会的投資の重要性は一層増しており、公園という身近なインフラを健康政策のプラットフォームとして活用する動きはさらに加速するとみられます。愛知県の取り組みがひとつのモデルケースとなり、自治体間での情報共有や制度の洗練につながることが期待されます。
