高市首相、インドへ初訪問 経済安保・対中連携を深化へ
高市早苗首相が2026年7月2日、就任後初となるインド訪問のため出発しました。中国を念頭に置いた経済安全保障や先端技術分野での協力強化が主な議題となる見通しです。
高市早苗首相は2026年7月2日、首相就任後初となるインド訪問のために日本を出発しました。インドは現在、世界最大の人口を抱える新興経済大国として急速な存在感を高めており、日本にとって「自由で開かれたインド太平洋」構想を支える戦略的パートナーと位置づけられています。今回の訪問では、経済安全保障や先端技術、さらにはサプライチェーンの多元化などを中心に幅広い分野での連携強化が図られる見込みです。
今回の首脳会談で特に焦点が当たるとみられるのが、中国を念頭に置いた経済安全保障の枠組み強化です。半導体や重要鉱物(レアアース等)の安定調達を巡り、日本はインドとの協力関係を深めることで、中国依存のリスク分散を図る戦略を加速させています。インドは世界有数のレアアース埋蔵量を持つとされており、日本の産業界にとって重要な代替供給源となり得ると専門家の間では指摘されています。
デジタル・インフラ分野での協力も主要な議題に上る見通しです。インドは近年、「デジタル・インディア」政策のもとでIT産業や宇宙開発を急速に拡大しており、日本との技術連携に対する期待も高まっています。両国間の直接投資額は近年増加傾向にあり、日本企業のインド進出件数も拡大が続いているとみられます。首相官邸側は今回の訪問を通じて、官民双方の連携をさらに深める枠組みを模索する方針を示しています。
防衛・安全保障面では、インド太平洋地域における海上安全保障の強化も議論される見込みです。日本とインドは2022年以降、海上自衛隊とインド海軍による共同訓練を定期的に実施しており、両国の安全保障協力は着実に深化しています。中国の海洋進出が南シナ海から東シナ海にかけて続くなか、日印両国が連携を強化する戦略的意義は大きいと安全保障関係者の間では受け止められています。
国内政治的な文脈でも、今回の訪問は注目を集めています。高市首相は就任以来、経済安全保障を政権の最重要課題の一つとして掲げており、インド訪問はその具体的な成果を内外に示す機会とも捉えられています。一方、国会では野党が3日連続で審議を欠席するなど、与野党の対立が続いており、外交での成果を国内の政治安定につなげられるかが問われる局面でもあります。
今後の展望として、今回の首脳会談を通じて日印双方が具体的な協力文書や共同声明を取りまとめられるかが焦点となります。経済安全保障・先端技術・防衛の各分野で実質的な進展が得られれば、参院選を7月に控えるなかで高市政権にとって外交面での一定の実績となる可能性があります。インドとの戦略的パートナーシップが今後どこまで深化するか、引き続き注目が集まります。
