AIによる業務代替でコンサル市場縮小論、大手4社が危機感
コンサルティング業界大手のトップから、生成AIによる業務代替で市場規模が縮小しかねないとの懸念が相次いで示されました。人員配置や事業モデルの見直しが業界内で進んでいるとみられます。
コンサルティング業界の大手4社のトップから、生成AIの普及によって従来型のコンサルティング業務が代替され、業界全体の市場規模が縮小しかねないとの見方が示されたことが分かりました。これまでコンサルティング会社の主要業務とされてきた市場調査やデータ分析、資料作成といった作業が生成AIによって効率化・自動化されつつあり、人手に頼っていた工程の一部が不要になりつつあるとみられます。
背景には、2024年以降急速に普及した生成AIツールの企業導入があります。業界関係者によれば、これまで若手コンサルタントが数日かけていた市場調査やレポート作成の初期段階が、生成AIを使うことで数時間程度に短縮されるケースが増えているとのことです。こうした変化はコンサルティング会社にとって、業務効率化という恩恵をもたらす一方、これまで人件費として計上されていた稼働時間や報酬体系そのものの見直しを迫る要因にもなっているとみられます。
国内外の調査会社の推計によれば、世界のコンサルティング市場は年間数千億ドル規模とされていますが、生成AIの本格活用が進めば、今後数年で従来型業務の一定割合が代替され、市場成長率が鈍化する可能性があるとの見方も一部で出ています。特に定型的なデータ分析やベンチマーク調査といった業務は代替されやすいとされる一方、経営戦略の意思決定支援や複雑な利害調整を伴う業務は当面人間の関与が残るとみられています。
こうした状況を受け、大手コンサルティング会社では新卒・若手採用の方針を見直す動きや、AIを使いこなす人材育成プログラムを強化する動きが出ているとされます。従来は若手が担っていた基礎的な分析業務が減る一方で、AIの出力結果を検証し、クライアントの経営課題に落とし込む「翻訳者」としての役割が今後求められるようになるとの指摘もあります。
一方で、AIによる業務代替は必ずしもマイナス材料だけではないとの見方もあります。効率化によって浮いた稼働時間を、より付加価値の高い戦略立案や新規事業開発の支援に振り向けることができれば、コンサルティング会社は単価の高い業務にシフトできる可能性があるためです。実際、一部の大手企業はAI活用支援そのものを新たな収益源と位置付け、企業のAI導入コンサルティングを強化する動きを見せています。
今後については、生成AIの性能向上とともに代替される業務範囲がさらに広がる可能性がある一方、コンサルティング業界がどのように事業モデルを転換していくかが焦点になるとみられます。人員配置の見直しや報酬体系の変化、そしてAIと人間の役割分担のあり方について、業界全体でさらなる議論と対応が求められる状況が続くとみられます。
