EV・半導体用レアアース輸入、中国規制前の2割水準で低迷続く
2026年上期のEV・半導体向けレアアース輸入量が、中国による輸出規制前の水準の約2割にとどまったことが報道ベースで明らかになりました。代替調達先の確保は依然として難航しているとみられます。
2026年上期(1〜6月)における日本のEV・半導体関連レアアース輸入量が、中国が輸出規制を強化する以前の水準と比較して約2割程度にとどまったことが、報道ベースで明らかになりました。中国依存からの脱却を目指す動きが続いてきたものの、代替調達先の確保は依然として大きな課題として残っているとみられます。
レアアースはEV用モーターの永久磁石や半導体製造に不可欠な原材料であり、世界の生産・加工の大半を中国が占めてきました。中国は近年、輸出許可制度の厳格化や特定品目の管理強化を進めており、これが日本を含む各国のサプライチェーンに影響を及ぼしてきた経緯があります。
日本国内では、経済産業省をはじめとする関係機関が、オーストラリアや米国、東南アジア諸国など中国以外の供給網の構築を後押しする方針を示してきました。ただ、レアアースの精製・加工技術は依然として中国に集中しており、代替生産体制の確立には時間とコストがかかるとの指摘が業界関係者の間で出ています。
こうした状況を受け、国内のEVメーカーや半導体関連企業は、在庫積み増しや長期契約による調達安定化を図る動きを強めてきたとみられます。一方で、代替素材の研究開発や、レアアースを使用しないモーター設計への転換を進める企業も増えつつあり、業界全体でリスク分散の取り組みが広がっている状況です。
半導体分野では、次世代技術への投資も進められています。名古屋市を拠点とする自動運転技術開発企業のティアフォーは、科学技術振興機構(JST)が推進する「次世代エッジAI半導体研究開発事業」への参画を発表しました。エッジAI向け半導体の国内開発力強化は、レアアース依存度の高い従来型部材からの脱却を進める上でも意義を持つ取り組みと位置付けられるとみられます。
業界関係者の間では、供給網の多様化には数年単位の時間が必要になるとの見方が広がっています。代替調達先の生産能力拡大や新たな精製技術の確立が進まなければ、今後も中国依存の構造が続く可能性が指摘されています。政府による支援策の拡充や、企業間の共同調達スキームの構築などが、今後の課題解決に向けた鍵となりそうです。
