IT大手4社トップ「SaaSの死」語る 富士通は現状路線に警鐘
国内外のIT大手4社のトップが相次いでSaaS事業モデルの転換点について言及し、富士通は「現状固執では成長できない」と発言しました。生成AIの台頭が既存のクラウドサービス業界に構造変化を迫っています。
IT大手4社のトップが相次いで「SaaS(Software as a Service)の死」という刺激的なテーマについて言及していることが2026年8月16日までに明らかになりました。富士通の経営陣は「現状固執では成長できない」と述べ、従来型のサブスクリプション型ソフトウェア提供モデルからの転換を示唆しています。
SaaSはこの十数年、企業向けソフトウェア市場の主流モデルとして定着してきました。月額・年額課金による安定収益構造は、投資家からも高く評価され、国内外の主要IT企業の株価を支える柱の一つとなってきたとみられます。しかし生成AIの急速な進化により、従来のSaaS型サービスが提供してきた機能の多くが、AIエージェントによって代替されつつあるとの見方が業界関係者の間で広がっています。
背景にあるのは、AIエージェントが従来のようにアプリケーション画面を人間が操作する前提を崩しつつある点です。ユーザーが個別のSaaSツールにログインして操作するのではなく、AIエージェントが複数のシステムを横断的に操作し、業務を代行する形態が現実味を帯びてきました。これにより、画面単位・機能単位で課金するSaaSモデルそのものの前提が揺らいでいるとみられます。
富士通の発言は、こうした潮流を踏まえたものとみられます。既存のSaaS事業や関連プロダクトに依存し続けるだけでは、中長期的な成長は見込めないとの危機感が示された形です。国内IT大手にとって、SaaS関連事業は既に大きな収益源となっているケースが多く、事業モデルの転換には相応の痛みも伴うとみられます。
一方で、海外の大手クラウド事業者を含む他の3社のトップも同様の問題意識を共有しているとされ、業界全体としてAIエージェント時代に対応した新たな収益モデルの模索が進んでいる状況がうかがえます。具体的には、成果報酬型の課金や、AIエージェントの利用量に応じた従量課金モデルへの移行を検討する動きが業界関係者の間で報告されています。
今後は、各社が具体的にどのような新モデルを打ち出すかが焦点となりそうです。SaaS市場は世界的に数千億ドル規模とされ、この構造転換が実現すれば、企業向けソフトウェア業界の勢力図が大きく塗り替わる可能性もあります。国内企業にとっても、AIエージェント対応の遅れが競争力低下につながりかねず、各社の今後の戦略発表が注目されます。
