「健康経営優良法人2027」申請受付開始、企業の健康投資が拡大
経済産業省と日本健康会議は、企業の健康経営を評価する「健康経営銘柄2027」「健康経営優良法人2027」の申請受付を開始しました。従業員の健康づくりに取り組む企業を可視化する制度として、今年も多数の企業からの申請が見込まれています。
経済産業省と日本健康会議は2026年8月18日、企業の健康経営への取り組みを評価・認定する「健康経営銘柄2027」および「健康経営優良法人2027」の申請受付を開始したと発表しました。従業員の健康管理を経営課題として捉え、戦略的に取り組む企業を「見える化」する制度で、今年で認定開始から10年以上が経過し、企業の関心は年々高まっているとみられます。
健康経営優良法人認定制度は、東京証券取引所の上場企業を対象とする「健康経営銘柄」と、大規模法人向けの通称「ホワイト500」、中小規模法人向けの通称「ブライト500」などの部門に分かれています。認定を受けることで、企業は求職者へのアピールや金融機関からの融資条件の優遇、さらには株式市場における評価向上といった複数のメリットを得られるとされています。
これまでの認定実績を見ると、大規模法人部門・中小規模法人部門を合わせて申請企業数は年々増加傾向にあり、直近の認定法人数は合計で2万社を超える規模に達しているとみられます。特に中小企業における申請件数の伸びが目立っており、地方の中小企業にも健康経営の考え方が広がりつつある状況がうかがえます。
制度創設の背景には、少子高齢化に伴う労働力人口の減少と、従業員の健康維持がそのまま企業の生産性や持続的成長に直結するという認識の広がりがあります。厚生労働省が推進する働き方改革とも連動し、メンタルヘルス対策や生活習慣病予防、禁煙推進など多様な健康施策が評価項目に組み込まれているのが特徴です。
投資家の視点からも、健康経営への取り組みはESG(環境・社会・企業統治)投資における「S(社会)」の重要な評価軸として注目されています。健康経営銘柄に選定された企業の株価パフォーマンスが市場平均を上回る傾向にあるとの指摘も一部の業界関係者からなされており、非財務情報としての健康経営情報の開示ニーズは今後さらに高まる可能性があります。
申請にあたっては、経済産業省が指定するオンラインシステムを通じて健康経営度調査への回答が必要となり、従業員の健康診断受診率や特定保健指導の実施状況、メンタルヘルス対策の有無など多岐にわたる項目の報告が求められます。中小企業にとっては申請作業の負担が課題として挙げられており、簡素化を求める声も一部で上がっているとされています。
経済産業省は今後、申請受付を経て審査・選定を進め、例年通り年度内に認定結果を発表する見通しです。健康経営の裾野拡大に向けて、地方の中小企業や医療・福祉分野の法人への浸透が今後の課題となる一方、認定企業の増加が日本全体の生産性向上や医療費抑制につながることが期待されています。
