外交青書、中国を「最も重要」から「重要な隣国」に格下げへ
政府は2026年版外交青書で中国の位置づけを「最も重要なパートナー」から「重要な隣国」に変更する方針を固めた。中国の威圧的措置への懸念も明記される。
政府関係者によると、外務省が4月の閣議決定を目指している2026年版外交青書の原案で、中国に対する位置づけを従来の「最も重要なパートナー」から「重要な隣国」に格下げする方針を固めたことが25日、分かった。同時に中国が「一方的な批判や威圧的措置を強めている」との表現も新たに盛り込まれる予定で、日中関係の現状認識が厳しさを増していることが浮き彫りとなった。
外交青書における中国の位置づけは、2021年版まで「最も重要な二国間関係の一つ」とされていたが、2022年版から「最も重要なパートナー」に変更されていた。しかし、尖閣諸島周辺での中国公船の活動活発化や台湾周辺での軍事活動の拡大、日本産水産物の輸入停止措置の継続などを受け、政府内で表現の見直しを求める声が高まっていた。
具体的には、2025年の1年間で中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した回数は47回に上り、2024年の38回から約24%増加した。また、中国軍機に対する航空自衛隊のスクランブル発進回数は年間612回と、全体の約68%を占めている状況が続いている。
外務省幹部は「建設的で安定的な関係を目指すという基本方針に変わりはないが、現実的な脅威への認識を適切に示す必要がある」と説明している。一方で、経済面では中国は依然として日本にとって最大の貿易相手国であり、2025年の二国間貿易額は約32兆円に達するなど、相互依存関係は深い。
今回の表現変更について、中国外務省報道官は24日の定例記者会見で「日本側の一方的な認識変更は両国関係の発展に資さない」と反発の姿勢を示した。韓国については「重要な隣国」の表現を維持する方針で、日本政府内では中国との差別化を図る意図があるとの見方が強い。
4月中旬に予定されている日中外相会談では、この表現変更が議題となる可能性が高く、両国関係の今後の方向性を占う重要な局面を迎えている。専門家からは「現実的な脅威認識を示しつつも、対話の窓を閉ざさない外交バランスが求められる」との指摘が上がっており、政府の対中外交手腕が問われることになりそうだ。