インテル、マスク氏のAI半導体「テラファブ」構想に参画へ
米半導体大手インテルが、イーロン・マスク氏が主導するAI半導体製造プロジェクト「テラファブ」構想への参画を発表。AI向け半導体の供給体制強化が狙い。
米半導体大手インテルは7日、テスラCEOのイーロン・マスク氏が主導するAI半導体製造プロジェクト「テラファブ」構想に参画すると発表しました。同構想は、急速に拡大するAI市場向けの高性能半導体の安定供給を目指すもので、米国内での半導体製造能力の大幅な拡充を計画しています。
テラファブ構想は、年間生産能力1兆個規模のAI専用チップ製造を目標に掲げており、総投資額は5000億ドル規模になるとみられています。インテルは同プロジェクトにおいて、自社の先端プロセス技術「Intel 18A」を活用した製造ラインの提供と技術開発で中心的な役割を担う予定です。
AI市場の急成長により、高性能半導体の需要は急激に増加しています。市場調査会社の推計によると、AI向け半導体市場は2025年の推計1500億ドルから2030年には5000億ドルまで拡大すると予想されています。現在、この分野では台湾のTSMCが圧倒的なシェアを持っており、供給不足が深刻化していました。
インテルにとって今回の参画は、AI半導体分野での競争力強化と製造受託事業の拡大につながる重要な戦略となります。同社は近年、自社設計の半導体製造だけでなく、他社からの製造受託(ファウンドリ)事業にも力を入れており、TSMCに対抗する米国拠点の製造能力確立を目指しています。
テラファブ構想には、インテル以外にも複数の米系半導体企業や投資ファンドが参画を検討しているとされ、米国政府のCHIPS法による半導体製造業への支援策とも連携する見込みです。同法では520億ドルの補助金を通じて国内半導体製造業の強化を図っています。
一方で、このような大規模プロジェクトには技術的課題や巨額の初期投資リスクも伴います。業界関係者からは、計画通りの生産能力達成や収益性の確保について慎重な見方も出ています。特に、最先端プロセスでの量産立ち上げは高度な技術力と長期間の開発期間を要するため、計画の実現性について注目が集まっています。
今回の発表により、AI半導体市場における競争構造に大きな変化が生まれる可能性があります。米国企業による大規模な製造能力の構築は、現在アジア圏に集中している半導体サプライチェーンの地政学的リスク軽減にもつながると期待されており、今後の具体的な実行計画や生産開始時期の発表が注目されます。
