メタ、新AI「ミューズ・スパーク」発表 開発競争で巻き返し狙う
メタが新たなAIシステム「ミューズ・スパーク」を発表し、SNSやARグラスへの搭載を進める。AI開発競争での巻き返しを図る。
米メタ(旧フェイスブック)は9日、新たなAIシステム「ミューズ・スパーク(Muse Spark)」を発表したと報じられています。同社はこの新技術をフェイスブック、インスタグラム、WhatsAppなどの主要SNSプラットフォームに加え、同社のARスマートグラス「レイバン・メタ」シリーズにも順次搭載していく計画とされています。
ミューズ・スパークは、従来のAI機能と比較して処理速度が約3倍向上したとみられ、リアルタイムでの画像解析や音声認識機能を大幅に強化したとされています。特に、ARグラス使用時の環境認識能力や、SNS投稿に対するより精度の高いコンテンツ推薦機能を実現するとしています。業界関係者によると、このシステムはメタが独自開発した新しいアーキテクチャを採用しており、従来比で電力消費を約40%削減できるとの情報もあります。
メタをめぐっては、OpenAIのChatGPTやGoogleのBardといった対話型AIの普及により、AI分野での競争力に懸念が示されていました。調査会社のデータによると、2023年の生成AI市場でメタのシェアは推計15%程度とされ、OpenAIの約35%、Googleの約25%を下回っているとの分析があります。同社は昨年、AI関連の研究開発費として約180億ドル(推計)を投じたものの、市場での存在感は限定的でした。
今回のミューズ・スパーク発表は、メタのAI戦略における重要な転換点とみられています。同システムは段階的な展開が予定されており、まず北米のユーザー向けに今月下旬から試験運用が開始される見通しです。その後、欧州やアジア太平洋地域への展開も計画されているとの情報があります。特に日本市場については、年内の本格導入を目指すとされています。
競合他社の動向も活発化しています。GoogleはAI機能を統合した新しい検索体験の提供を進めており、MicrosoftもOpenAIとの連携を深めてBingやOffice製品への統合を加速させています。アップルも独自のAI技術開発を進めているとされ、来年のiPhone新機種への搭載が噂されています。このような環境下で、メタの新技術がどの程度の競争力を持つかが注目されています。
メタの株価は前日の取引で上昇し、AI関連銘柄として投資家の関心を集めました。アナリストの間では、ミューズ・スパークの技術的優位性や市場での受容度が同社の今後の業績を左右するとの見方が広がっています。同社の月間アクティブユーザー数は全プラットフォーム合計で約39億人とされており、この巨大なユーザーベースにAI機能を展開できることが大きな強みとなる可能性があります。
AI技術の進歩が加速する中、メタのミューズ・スパークが既存の競合製品との差別化をどの程度実現できるかが今後の焦点となります。特に、実際のユーザー体験での優位性や、プライバシー保護機能の充実度が市場での評価を決める重要な要素となりそうです。業界関係者は、年末までにAI分野での勢力図が大きく変わる可能性があると指摘しており、メタの巻き返し戦略の成否に注目が集まっています。
