住職、他人の保険証で医療費詐取容疑 100回以上の不正受診か
警視庁は23日、拾得した他人の健康保険証を使って医療費を詐取した疑いで住職の男を逮捕した。2024年1月以降、100回以上にわたって他人になりすまして受診していた可能性がある。
警視庁は23日、拾得した他人の健康保険証を不正使用し、医療費を詐取したとして、詐欺の疑いで住職の男を逮捕したと発表した。容疑者は2024年1月以降、他人になりすまして医療機関を受診し、100回以上にわたって不正に医療費の給付を受けていた疑いが持たれている。
警視庁の調べによると、容疑者は路上で拾得した健康保険証を使用し、本来の被保険者になりすまして複数の医療機関を受診していたとされる。医療費の自己負担分を支払わず、保険組合に医療費を負担させていた疑いがある。容疑者は容疑を認めているという。
この事件は、医療機関からの通報をきっかけに発覚した。同一人物が短期間で異なる医療機関を頻繁に受診していることを不審に思った医療従事者が、保険組合に確認を取ったところ、本来の被保険者との年齢や性別に相違があることが判明したという。
厚生労働省の統計によると、健康保険証の紛失・盗難による不正使用事件は年間数百件発生しており、社会保険制度の信頼性を損なう深刻な問題となっている。特に高齢化の進展に伴い医療費が増大する中、こうした不正行為は医療保険財政への影響も懸念されている。
現在、政府はマイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めており、2024年秋には現行の健康保険証の廃止が予定されている。デジタル化により本人確認の精度向上が期待される一方、移行期間中は両制度が併存するため、関係者は引き続き不正使用への警戒を呼び掛けている。
警視庁は今後、容疑者が不正受診によって得た医療サービスの総額や、他にも同様の手口による被害がないかについて詳しく調べる方針だ。また、医療機関や保険組合に対しても、本人確認の徹底や不審な受診パターンへの注意喚起を強化していくとしている。
