東京の新規契約家賃、上昇率が拡大 新生活での負担増が鮮明に
東京都内の賃貸住宅における新規契約家賃の上昇率が拡大していることが明らかになりました。新生活を始める人々への経済的負担が重くなっている状況です。
東京都内の賃貸住宅市場において、新規契約時の家賃上昇率が拡大していることが業界関係者への取材で分かりました。特に都心部や交通利便性の高いエリアでは、前年同期比で10%を超える上昇を示す物件も散見されており、新生活を始める学生や社会人にとって深刻な負担となっています。
不動産業界の関係者によると、ワンルームマンションの新規契約家賃は、都心3区(千代田・中央・港区)で平均月額12万円台後半から13万円台前半とみられ、昨年同期と比べて8~12%程度の上昇となっています。また、23区全体でも平均月額9万円台後半と推計され、上昇傾向が続いています。
この家賃上昇の背景には、建築資材費の高騰や人件費の上昇による建設コストの増加があります。加えて、都心回帰の傾向が続いていることや、外国人観光客の回復に伴う民泊需要の復活も、賃貸住宅の供給量に影響を与えているとされています。特に築浅物件や駅近物件では、需要と供給のバランスが崩れ、家賃設定が強気になっている状況です。
新生活を迎える学生や新社会人への影響は深刻で、家賃が収入に占める割合が従来の目安とされる30%を大幅に超えるケースが増加しています。大学生の場合、親からの仕送りだけでは家賃を賄いきれず、アルバイトの時間を増やさざるを得ない状況も生まれています。また、新卒社会人においても、手取り収入の40%以上を家賃に充てるケースも珍しくないとされます。
このような状況を受けて、賃貸住宅を探す側の行動にも変化が現れています。従来は都心部での物件探しが中心だった層が、家賃を抑えるために郊外エリアに目を向けるケースが増加しており、埼玉県や千葉県、神奈川県などの首都圏郊外の物件への問い合わせが増えています。また、シェアハウスや家具付き物件への関心も高まっているとされます。
専門家は、建設コストの高止まりや都心部での土地不足を考慮すると、家賃上昇傾向は今後も続く可能性が高いと指摘しています。一方で、企業の住宅手当制度の見直しや、自治体による住宅支援策の拡充など、新たな対応策も検討され始めており、賃貸住宅市場の構造的な変化が求められる状況となっています。
