モディ首相、国民に在宅勤務と渡航自粛要請 イラン情勢悪化受け
インドのモディ首相が、イランでの戦争継続を受けて国民に在宅勤務や渡航控えを呼びかけました。中東情勢の不安定化がインド経済にも影響を与えています。
インドのモディ首相は12日、イランでの戦争が続く中、国民に対して在宅勤務の実施や不要不急の海外渡航を控えるよう呼びかけました。中東地域の情勢悪化を受けた異例の要請で、インド政府は国民の安全確保を最優先に据える姿勢を鮮明にしています。
政府関係者によると、この要請は特にエネルギー価格の高騰や物流網への影響を懸念したものとみられます。インドは原油輸入の約85%を海外に依存しており、中東情勢の不安定化は同国経済に直接的な打撃を与える可能性があります。
在宅勤務の推奨により、交通燃料の消費削減効果も期待されています。インド政府の推計では、全国規模での在宅勤務実施により、1日あたり約15%の燃料消費削減が可能とされています。2020年の新型コロナウイルス感染拡大時には、類似の措置により大幅な燃料需要減少を実現した経験があります。
外務省は同日、イラン及び周辺地域への渡航について、既存の「十分注意」から「渡航中止勧告」への引き上げを検討していることを明らかにしました。現在、推計で約1万5000人のインド人がイラン国内に滞在しているとみられ、政府は退避支援の準備も進めています。
経済界からは懸念の声も上がっています。業界関係者は、長期化する中東情勢の混乱がサプライチェーンに与える影響を警戒しており、特に製造業では原材料調達の代替ルート確保が急務となっています。インドの主要株価指数も中東情勢を反映した不安定な動きを示しています。
今回の首相要請は期間を明示していないものの、政府関係者は「情勢が安定化するまで継続する」との見通しを示しています。インド政府は今後、エネルギー安全保障の強化と経済への影響最小化に向けた包括的な対策を検討する方針で、国際社会との連携も重要な課題となりそうです。
