高市早苗首相は24日、石油化学原料のナフサ供給をめぐる不安の払拭に向け、関係省庁や業界団体との連携を一層強化する方針を示しました。国内石油化学産業の安定操業を確保し、経済への影響を最小限に抑えることが狙いです。
ナフサは石油精製過程で得られる軽質油の一種で、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品の原料として不可欠な物質です。国内の石油化学メーカーは年間約2800万トンのナフサを消費しており、その約8割を中東からの輸入に依存しています。近年の地政学的リスクの高まりにより、安定調達への懸念が業界内で広がっていました。
経済産業省によると、国内のナフサ在庫は通常時で約30日分の備蓄を維持していますが、供給ルートの多様化が課題となっています。政府は昨年来、東南アジアや豪州からの調達拡大を進める一方、国内製油所の稼働率向上による自給率改善も検討してきました。
石油化学業界では、ナフサ価格の変動が製品コストに直結するため、安定供給の確保は経営上の重要課題となっています。業界関係者によると、供給不安が長期化した場合、プラスチック製品や化学繊維などの川下産業にも影響が波及する可能性があるとされます。
高市首相は今後、関係閣僚との協議を重ね、ナフサの安定調達に向けた包括的な対策を検討する考えです。具体的には、備蓄体制の見直しや調達先の一層の多角化、代替原料の活用促進などが議題に上がるとみられます。また、6月上旬に予定されている主要国首脳会議でも、エネルギー安全保障の一環として石油化学原料の安定供給について議論される見通しです。
