生活保護受給者に物価高騰が深刻な影響、日弁連が基準18%引き上げを要求
物価高騰により生活保護受給者の生活が困窮している実態が明らかになりました。日本弁護士連合会が生活保護基準の18%引き上げを求めています。
物価高騰の影響で、全国の生活保護受給者の生活が深刻な状況に陥っていることが、日本弁護士連合会(日弁連)の調査で明らかになりました。受給者からは「5年間同じTシャツを着続けている」「生きるだけで精一杯」といった切実な声が寄せられており、日弁連は生活保護基準の18%引き上げを政府に求める方針を発表しました。
厚生労働省の統計によると、2026年3月時点で全国の生活保護受給者数は約204万人となっており、このうち高齢者世帯が全体の約55%を占めています。一方、消費者物価指数は2024年から2026年にかけて食料品を中心に上昇を続けており、特に生活必需品の価格上昇が受給者の家計を圧迫している状況です。
日弁連が実施した生活実態調査では、受給者の約8割が「生活が苦しくなった」と回答しました。具体的には、食費を削って一日二食で過ごす人や、医療費の自己負担分を支払えずに通院を控える人が増加していることが判明しています。また、衣類や日用品の購入を極力控える傾向も顕著に表れています。
現在の生活保護基準は、一般低所得世帯の消費実態を基に算定されていますが、物価上昇に対する調整が追いついていないとの指摘が専門家から上がっています。特に、エネルギー価格や食料品価格の急激な上昇により、最低限度の生活を維持することが困難になっているケースが多数報告されています。
日弁連の要求する18%の基準引き上げについて、社会保障の専門家は「物価上昇率を考慮すれば妥当な水準」との見方を示しています。しかし、国の財政状況を踏まえると、実現には相当な予算確保が必要となり、政府内での調整が注目されます。
厚生労働省は来月にも生活保護制度に関する検討会を開催する予定で、物価動向を踏まえた基準見直しについて議論が行われる見込みです。受給者の生活実態改善に向けた具体的な対応策の検討が急務となっており、社会保障制度の在り方を問う重要な局面を迎えています。
