医療物資の価格上昇が続く中、上野厚生労働相は2日、病院経営に支障が生じる場合には令和7年度(2025年度)で調整を行う考えを示しました。新型コロナウイルス禍以降続いている医療物資の供給不安定化と価格高騰により、全国の医療機関の経営状況が悪化していることを受けた発言とみられます。
医療物資の価格上昇は2020年以降顕著になっており、特にマスクや手袋、消毒液などの感染防護用品の価格は従来の2倍から3倍程度に上昇している品目もあるとされます。日本病院会が昨年実施した調査では、回答した医療機関の約8割が医療物資費の増加により経営への影響を受けていると報告していました。
この状況を受けて、全国の病院団体からは診療報酬での対応や補助金制度の拡充を求める声が高まっていました。特に中小規模の病院では、医療物資費の増加分を患者負担に転嫁することが困難なため、経営の悪化が深刻化している状況が指摘されています。
厚生労働省は現在、医療物資の価格動向や病院経営への影響について詳細な調査を進めているとみられます。関係者によると、特に地方の中小病院では医療物資費の負担増により、一部の診療科の縮小や医療従事者の待遇悪化を検討せざるを得ない状況も生じているということです。
令和7年度は診療報酬改定の年にあたるため、医療物資費の増加分を診療報酬に反映させる可能性も検討されているとみられます。ただし、医療費全体の抑制圧力もある中で、どの程度の対応が可能かは今後の調整次第となりそうです。
医療界では、今回の上野厚労相の発言を歓迎する声が上がる一方で、具体的な支援策の内容や規模について注目が集まっています。医療物資の価格安定化と医療機関の経営基盤強化に向けた政府の対応が、今後の医療提供体制の維持に重要な影響を与えることになりそうです。
