永住外国人の生活保護受給率、日本人と同水準 入管庁調査で判明
出入国在留管理庁の調査で、永住者資格を持つ外国人の生活保護受給率が日本全体の水準とほぼ同程度であることが分かりました。同庁は今後、審査ガイドラインの改定を検討する方針です。
出入国在留管理庁は、永住許可を持つ外国人の生活保護受給状況に関する調査結果を公表しました。調査によると、永住外国人の生活保護受給率は日本全体の受給率とほぼ同水準であることが明らかになりました。これまでインターネット上などで「永住外国人は生活保護を受給しやすい」といった言説が広がっていましたが、今回の調査結果はこうした認識と実態に乖離があった可能性を示すものとなりました。
日本における生活保護の受給率(保護率)は、厚生労働省が公表する被保護者調査などによれば、人口千人あたりおおむね16人前後、割合にして1.6%程度で推移してきたとみられています。今回の入管庁調査では、永住者資格を持つ外国人についても、これに近い水準の受給率であることが確認されたとされています。永住外国人は日本国内に令和年間を通じて80万人台で推移しており、在留外国人の中でも最大規模の在留資格となっています。
永住許可は、法務省令に基づき「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」などの要件を満たした外国人に対して付与される在留資格です。原則として日本での在留が長期間に及び、納税義務の履行や素行の良好さなども審査対象となるため、許可を受けた時点での経済的自立が一定程度確認されているとされています。今回の調査結果は、こうした審査プロセスの実効性を裏付ける材料になったとの見方もあります。
一方で、永住許可後に失業や病気、高齢化などにより生活が困窮し、生活保護を受給するケースが一定数存在することも事実として指摘されてきました。生活保護制度は日本国憲法第25条の生存権保障の理念に基づき、日本人・外国人を問わず困窮した個人の最低限度の生活を保障する制度として運用されており、永住外国人も要件を満たせば受給対象となります。今回の調査は、こうした制度運用の実態を定量的に把握する試みの一環とみられています。
入管庁は今回の調査結果を踏まえ、永住許可の審査に関するガイドラインの改定を検討する方針を示しました。具体的な改定内容は今後詰められる見通しですが、永住許可取得後の生活状況の追跡や、許可要件の運用基準の明確化などが論点になるとみられています。ガイドラインの改定時期については、現時点で明確なスケジュールは示されていません。
今回の調査結果は、外国人受け入れをめぐる社会的な議論に一定の材料を提供するものとなりそうです。少子高齢化が進む中、日本社会における外国人材の役割は今後も拡大していくとみられており、在留資格制度の透明性や公正な運用がこれまで以上に求められる状況です。入管庁による今後のガイドライン改定の内容や、追加の実態調査の実施状況について、引き続き注目が集まりそうです。
