野村證券、日銀次回利上げ予想を10月に修正 円安圧力背景か
野村證券は日銀の次回利上げ時期の見通しを10月をメインシナリオとし、12月をリスクシナリオに修正しました。円安基調が続くなか、日銀の政策運営に時間的余裕がなくなっているとの見方が広がっています。
野村證券は2026年8月7日までに、日本銀行の次回利上げ時期に関する見通しを修正したことを明らかにしました。同社エコノミストの森田京平氏がまとめた内容によりますと、これまでのシナリオを見直し、10月の利上げをメインシナリオとし、12月をリスクシナリオとして位置づける形に変更したということです。
背景にあるのは、続く円安基調と、それに伴う日銀の政策運営における時間的余裕の乏しさです。報道ベースでは、日銀が物価上昇圧力や輸入コストの増大に対応するため、想定よりも早いタイミングでの追加利上げに踏み切る可能性が高まっているとみられています。市場関係者の間では、円安が一段と進行すれば日銀の判断が前倒しされる可能性も指摘されており、政策運営を巡る不透明感が強まっている状況です。
円安を巡っては、28年ぶりとなる協調介入が話題となっています。急激な通貨安の進行を食い止めるため、当局が市場介入に踏み切る動きが注目されており、介入の効果や持続性について専門家の間でも見方が分かれています。一般的に協調介入は、複数の通貨当局が足並みをそろえて為替市場に介入することで、単独介入よりも大きな効果が期待される手法とされていますが、根本的な金利差が是正されない限り、効果は一時的にとどまるとの指摘もあります。
こうした中、8月7日の東京株式市場では、日経平均株価が65,305.71円と、前日比377.55円安(-0.57%)で推移しました。円安による輸入コスト増への懸念や、日銀の政策修正観測が投資家心理に影響を与えたとみられます。一方、TOPIXは105.18ポイントと、前日からほぼ横ばいの水準で取引されました。為替市場ではドル円が158.51円をつけており、円安基調が継続していることがうかがえます。
業界関係者からは、日銀が10月の金融政策決定会合で利上げに踏み切るかどうかが、今後の市場動向を左右する重要な焦点になるとの見方が出ています。仮に利上げが実施されれば、円安に一定の歯止めがかかる可能性がある一方、国内景気への影響を懸念する声も根強くあります。逆に利上げが12月まで見送られた場合、円安圧力がさらに強まり、協調介入の効果が薄れるリスクも指摘されています。
今後は、日銀の金融政策決定会合における議論の内容や、政府・日銀による為替介入の動向に加え、米国の金融政策との金利差の推移が、円相場および国内株式市場の方向性を占う上で重要な材料になるとみられます。市場参加者は10月の会合に向けて、日銀総裁の発言や経済指標の動きを注視していく展開が予想されます。
