野村證券、日銀利上げ予想を修正 次回は10月が軸に
野村證券が日銀の次回利上げ時期の見通しを変更し、10月をメインシナリオ、12月をリスクシナリオとして位置づけました。円安・インフレを背景に金融政策の先行きへの関心が高まっています。
野村證券は日銀の金融政策見通しを修正し、次回の利上げ時期について10月をメインシナリオとし、12月をリスクシナリオとして位置づけたことが報道ベースで明らかになりました。同社のエコノミスト森田京平氏の分析として伝えられており、これまでの想定から時期を前倒しする形での見通し変更となります。
背景には、根強い物価上昇圧力と為替市場の動向があるとみられます。8日の東京外国為替市場では、ドル円は157.75円で推移しており、円安基調が続いている状況です。円安は輸入物価の上昇を通じて国内のインフレ圧力を高める要因となるため、日銀の政策判断に影響を与える可能性が指摘されています。
同日の東京株式市場では、日経平均株価は65,606.71円で取引を終え、前日比76.55円安(-0.12%)とわずかに下落しました。一方でTOPIXは105.18ポイントとほぼ横ばいの動きとなり、市場全体としては方向感に乏しい展開だったとみられます。金融政策の先行き不透明感が投資家心理に影響を与えている可能性があります。
「日銀の利上げで円高になる」という一般的な見方についても、専門家の間では慎重な議論が続いています。第一生命経済研究所関連のエコノミストによる分析では、利上げが直ちに円高に結びつくかどうかについては、日米の金利差や海外中央銀行の政策動向など複合的な要因を考慮する必要があるとの指摘がなされています。単純な利上げ・円高の図式では説明しきれない市場構造があるとの見方も存在します。
また、インフレ対策としての消費減税をめぐる議論も並行して注目されています。欧州の一部の国では、消費税率を引き下げても実際の店頭価格が下がらない事例が報告されており、インフレ下での減税効果に懐疑的な見方が専門家の間で示されています。日本国内でも同様の政策論争が今後活発化する可能性があります。
今後の焦点は、10月に予定される日銀金融政策決定会合での判断となります。野村證券の見通し通りに10月利上げが実施されるのか、あるいは12月に先送りされるのか、国内外の経済指標や為替動向を注視しながら市場関係者の間で観測が続くとみられます。いずれにせよ、物価動向と為替相場の綱引きが当面の金融政策運営における最大の焦点であり続けそうです。
