中国SMIC、4〜6月期純利益3.6倍 AI・国産化が追い風に
中国半導体受託製造最大手のSMICが2026年4〜6月期決算で純利益が前年同期比3.6倍になったと発表しました。AI需要拡大と半導体国産化政策が業績を押し上げたとみられます。
中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手であるSMIC(中芯国際集成電路製造)は、2026年4〜6月期の決算で純利益が前年同期比で3.6倍に拡大したと発表しました。世界的な半導体市況の回復に加え、AI関連需要の高まりと中国国内での半導体国産化推進が業績を押し上げた要因とみられています。
SMICは中国最大の半導体受託製造企業として知られ、スマートフォンや家電向けの汎用チップから、近年はAIアクセラレータ関連の生産にも対応を広げてきたとされています。米国による対中輸出規制が続く中、中国政府は半導体の自給率向上を国家戦略として位置づけており、国内メーカーからの発注がSMICに集中する構図が続いていると業界関係者は指摘しています。
背景には、米中間の技術摩擦が長期化する中で、中国企業が海外製の先端半導体調達に制約を受けている事情があります。これにより、性能面では劣るとされる成熟プロセス(レガシー品)であっても、国内で安定調達できるSMIC製チップへの需要が底堅く推移しているとみられます。加えて、中国国内でのAIサーバーやデータセンター投資が拡大していることも、稼働率の向上に寄与した可能性があります。
一方で、SMICが手掛ける微細化技術は、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子など世界大手と比較すると依然として世代的な遅れがあるとの見方が業界内では根強く残っています。最先端の7ナノメートル未満のプロセスについては、製造装置の輸出規制の影響もあり、量産体制の確立には時間を要するとの指摘もあります。
それでも今回の増益は、中国の半導体産業が「量」の面では着実に存在感を高めていることを示す一つの材料といえそうです。中国政府は半導体分野への補助金投入を継続しており、国内ファウンドリーの設備投資拡大も報道ベースで伝えられています。SMICの業績改善は、こうした官民一体の産業政策が一定の成果を上げつつあることの表れとも受け止められています。
今後については、米中の技術規制を巡る動向がSMICの成長ペースを左右する重要な変数になるとみられます。先端プロセスへの投資拡大が規制強化によって制約を受ける可能性がある一方、レガシー品や成熟プロセスの分野では、AI需要の裾野拡大とともに受注が一段と増える余地もありそうです。国内外の半導体サプライチェーンの分断が続く中、SMICの動向は中国のテクノロジー自立戦略の進捗を測る指標として、引き続き注目を集めそうです。
