内閣府、中目黒に政府スタートアップ拠点の基本計画案を提示
内閣府は19日、東京・中目黒と恵比寿にまたがる国有地に整備する政府のスタートアップ拠点施設について、延べ3万2800平方メートルを上限とする基本計画案を有識者会議で示しました。
内閣府は19日、「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構想フラッグシップ拠点整備に関する有識者会議」の第3回会合を開き、東京都渋谷区と目黒区にまたがる国有地に整備する研究・インキュベーション施設の基本計画案を示しました。施設は延べ3万2800平方メートルを上限に整備を開始し、その後の活動ニーズを踏まえて拡張する方針が明らかになりました。
建設予定地は、目黒区中目黒2丁目16番3と渋谷区恵比寿南3丁目48番1ほかの敷地で、面積は2万6088平方メートルです。防衛研究所等跡地と公安調査庁研修所跡地にあたり、防衛装備庁鑑定装備研究所に隣接しています。土地は国から運営事業者に有償で貸し付けられる形が想定されています。
新施設には、ディープテック分野の実用化研究開発や事業化に向けた活動を行うための研究機能やオフィス機能に加え、大小会議室やラウンジ、イベントスペースなど交流を促す空間も設けられる予定です。研究者やスタートアップ創業者、事業会社、大学・研究機関、アクセラレーター、ベンチャーキャピタルなどの入居が見込まれ、運営を担う先端技術研究成果活用推進機構も入居し、事業創出に向けたプログラムを展開するとしています。将来的なAI駆動型の研究開発を見据えたプラットフォームや、リアルとバーチャル両面でのアクセス機能も検討されています。
スケジュールについては、2026年度内に設計業務を発注し、28年度までに基本設計・実施設計をまとめ、29年度の建設工事着手を目指すとしています。設計者選定にあたっては、運営ノウハウを計画段階から取り入れるため、運営事業者を含むコンソーシアム形式を想定しており、代表企業には1級建築士事務所登録が求められる見込みです。
一方で、この拠点整備をめぐっては費用面での懸念も上がっています。17日の衆院内閣委員会の審議では、政府が計画を見直した結果、拠点の床面積が従来の1.8倍に拡大し、建設費が970億円程度にふくらむ見通しであることが明らかになりました。2024年時点の予備的な調査では建設費を約390億円規模と見込んでいたとされ、規模拡大に伴う費用増に与野党議員から疑問の声が出ています。関連事業には別途600億円以上をあてる計画も進んでおり、巨額の国費投入への批判が強まっている状況です。
内閣府の担当者は、国内スタートアップ支援において「国際人脈の重要さ」を挙げ、世界との窓口となり国内のハブとなる施設の必要性を説明してきました。運営を担う先端技術研究成果活用推進機構の設立規定を盛り込んだ法案は、今国会での成立を目指し12日から衆院で審議が始まっています。
今後は、詳細設計に向けた運営事業者の選定作業が進むとみられ、建設費や関連事業費の内訳がより具体的に示される可能性があります。国際的なスタートアップ支援拠点としての機能整備と、国費投入への説明責任の両立が、法案審議や設計段階を通じて問われていくことになりそうです。
