架空政治家アカウント凍結、党員が生成AIで作成か 栃木県連困惑
立憲民主党の架空の女性政治家を名乗るXアカウントが凍結されました。開設者は栃木県連の党員とみられ、プロフィル画像などは生成AIで作られた可能性が高いとされています。
立憲民主党に所属する架空の女性政治家をかたり、X(旧ツイッター)で選挙活動や政治活動に関する投稿を繰り返していたアカウントが凍結されたことが分かりました。アカウントの開設者は立憲民主党栃木県連の党員とみられ、プロフィル画像や投稿画像は生成AI(人工知能)で作成された可能性が高いとみられています。党本部や県連はこの事態に困惑を示しています。
問題となったアカウントは「中村りほ@立憲民主党」の名義で、2024年6月に作成されていました。今年8月19日に凍結されるまで、約2年間にわたって活動を続けていたことになります。プロフィルには「中村りほ公式。性暴力から妊娠、出産。経験を生かし女性が安心して暮らせる社会を目指します」との記述があり、女性支援や子育て支援、農業振興、地域活性化、福祉の充実を目指して活動しているとの内容が投稿されていました。
アカウントでは、女性が赤ん坊を背負って街頭演説をする姿や、栃木県や長野県などを視察する様子を映した画像も投稿されていました。これらの画像について、生成AIによって作られたものとみられることが指摘されています。実在しない人物の活動が、あたかも本物の政治家の日常であるかのように演出されていた点が特徴的です。
立憲民主党栃木県連の大貫毅代表は、このアカウントについて「県連としては一切かかわっていなかったため、大変迷惑なことだ」とのコメントを出しました。県連が全く関知しないところで、党名を冠したアカウントが長期間運用されていたことになり、党の信用にも影響を及ぼしかねない事案として受け止められています。
生成AIの普及により、実在しない人物の画像や経歴を容易に作り出せるようになっている中、政治的な文脈でこうした技術が悪用された可能性がある事案は、SNS上の情報の信頼性を揺るがす問題として注目されます。政党や候補者になりすました投稿は、有権者の判断を誤らせるリスクもあり、選挙の公正性という観点からも懸念されています。
今後は、アカウントを開設した党員に対する党内での対応や、真偽の確認が進められるとみられます。SNS事業者側の本人確認や生成AI画像の検知体制の強化も課題として浮上しており、同様の事案の再発防止に向けた議論が広がっていくことが見通されます。
