米、カナダに50%追加関税を22日発動 カーニー首相は報復示唆
米トランプ政権は2026年8月22日、アイスホッケー用スティックや乳製品などカナダからの輸入品の一部に50%の追加関税を発動しました。カナダのカーニー首相は交渉打ち切りを表明し、同等の報復関税を示唆しています。
米国のトランプ政権は2026年8月22日、アイスホッケー用のスティックや乳製品など、カナダからの輸入品の一部に50%の追加関税を発動しました。発動を回避するため両国は直前まで交渉を続けていましたが、合意には至りませんでした。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、米通商代表部(USTR)のグリア代表は21日夜、「米国市場への主な輸出国の中で最も有利な待遇を認めるという米国の提案があったにもかかわらず、カナダは最終決定を見送った」と述べたと報じられています。米側は交渉が決裂した責任がカナダ側にあるとの立場を示した形です。
一方、カナダのカーニー首相は声明で異なる見解を示しました。交渉は進展していたものの、土壇場で米側がそれまでの案を変更したと主張し、「信頼性を揺るがすものだった」として自ら交渉打ち切りを命じたと説明しています。その上で、「カナダの労働者と企業を守るため、同等の関税措置を講じる」と述べ、報復関税を発動する方針を示唆しました。
今回の追加関税は、これまで比較的良好とされてきた米国とカナダの通商関係において、大きな転換点となる可能性があります。両国間では貿易協定の見直しをめぐる動きも続いており、米国はカナダ・メキシコとの貿易協定について16年間の延長を見送り、毎年見直す方針に転じたことも明らかになっています。今回の関税発動は、こうした米国の通商政策の強硬姿勢の延長線上にあるとみられます。
対象となったアイスホッケー用スティックや乳製品は、カナダの主要な輸出品目の一部であり、関連する米国内の企業や消費者にも一定の影響が及ぶ可能性があります。米国内では、トランプ政権が進める一連の関税措置をめぐり、企業側から「利益が消える」といった負担増への懸念も出ており、コスト転嫁のあり方が今後の焦点となりそうです。
カナダ側が報復関税に踏み切った場合、両国間の貿易摩擦はさらに激化することが見込まれます。今後は、カナダがどの品目に対抗措置を講じるか、また米国側が追加の対応を取るかどうかが焦点となります。両国関係の行方とともに、他の主要貿易相手国への波及効果にも注目が集まりそうです。
