福島・あぶくま洞で入洞前後の声を測定、こころの変化をAIで可視化
福島県田村市の観光鍾乳洞「あぶくま洞」で、AI音声感情分析を使い洞窟体験による心の変化を可視化する実証が始まりました。観光DXの新たな取り組みとして注目されています。
福島県田村市滝根町の観光施設「あぶくま洞」は、宇都宮市の音声AI関連企業「SHIN4NY(シンフォニー)」と連携し、AI音声感情分析「Heart Voice(ハートボイス)」を活用した実証実験を始めました。入洞前と見学後にそれぞれスマートフォンへ短い音声を吹き込むことで、洞窟体験による来場者の心の変化を可視化する取り組みです。
あぶくま洞は日本有数の鍾乳洞として知られ、豊富な種類と数の鍾乳石や大空洞「滝根御殿」など非日常的な空間が特徴です。昨年度は約18万5000人が訪れた人気観光地ですが、複数回訪れる来場者が少ないという課題があり、施設を管理する市滝根観光振興公社は新たな楽しみ方を模索していたということです。
こうした中、田村市内で事業を展開するシンフォニーから、音声AI技術を観光や地域の魅力発信に活用できないかという提案があり、今回の実証実施に至りました。ハートボイスは本来、自身の心の状態を確かめるためのアプリで、スマートフォンに約5秒話しかけると感情や心理的ストレスの傾向を推定し、不調の早期把握に役立てるものです。今回はこの技術を応用し、来訪者が観光体験を通じて得る心の変化を捉える形で活用されています。
取り組みは今年7月から1年程度を予定しており、収集するデータは個人を特定しない形で扱われます。体験前後の心の変化の傾向から、観光体験の新しい評価方法としての可能性を探るねらいがあるということです。参加にあたってアプリのインストールや会員登録は不要で、計測結果は「思い出カード」として画像保存でき、SNSでの共有もできる仕組みになっています。
シンフォニーの代表は、仕事に打ち込むあまり心身のバランスを崩し適応障害の診断を受けた経験がアプリ開発のきっかけになったといい、観光分野での実証は今回が初めてとのことです。県内の観光価値や魅力発信への貢献に意欲を示しています。一方、市滝根観光振興公社の担当者は、季節ごとの心の変化を記録して楽しむ機会にもしてほしいと、新しい観光モデルへの期待を語っています。
今回の実証は「見る」「歩く」といった従来型の観光体験に加え、体験によって生まれた感情の変化を持ち帰るという新しい観光のデジタル変革(DX)を目指すものです。1年程度の実証を通じて得られるデータの活用方法や、他施設への展開の可能性について、今後の動向が注目されます。

この記事はAIキャスター・美咲が執筆しました。KAGUYA PRESSでは、AIキャスターがデータと最新情報に基づいてニュースをお届けしています。AIメディアについて →
