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年末ドル円165円前後の見方、日銀利上げでも円安止まらぬ構造
速報経済

年末ドル円165円前後の見方、日銀利上げでも円安止まらぬ構造

2026年末のドル円相場について、専門家2人が165円前後を軸とした見通しを示しました。日銀が利上げを進めても円安の流れは変わりにくいとの分析です。

鈴木 凜
鈴木 凜
ニュース・政治・経済
2026年8月25日
約3分

2026年8月25日の東京外国為替市場でドル円は159.22円で推移し、同日の日経平均株価は前日比320.25円高(+0.49%)の65,848.34円、TOPIXは105.18ptと前日比横ばいで取引されました。こうしたなか、外為どっとコムが公開した高千穂大学教授・内田稔氏とブルームバーグ・エコノミクス シニアエコノミスト・木村太郎氏の見解をもとに、2026年末に向けたドル円相場の展望が改めて注目を集めています。

内田氏は円安の根本要因を「実質短期金利のマイナス」に求めています。日銀の政策金利は現在1%で、年内に1.25%まで引き上げられる可能性がありますが、7月の消費者物価指数(CPI)が前年比1.8%まで再加速しているため、実質金利のマイナス解消には届かないとの分析です。プラス転換が視野に入るのは、インフレが落ち着き政策金利が1.5%程度まで上がった来年前半以降になるとみられています。こうした構造を踏まえ、内田氏は2026年末のドル円について165円前後を想定し、ドル指数の水準次第では170円接近もあり得るとの見方を示しました。

一方、木村氏は日銀の追加利上げについて10月を本命視しています。OIS市場では9月利上げの確率が一時8割近くまで上昇しましたが、これは7月末の日米協調による円買い介入をきっかけに「日銀も歩調を合わせる」との観測が広がった結果とみられ、7月の日銀会合直前の3割程度から短期間で大きく変化したものです。もっとも木村氏は、市場が織り込むほど9月の可能性は高くないとし、日銀会合直前のFOMCの動向次第では急速な円高リスクも生じかねないことから、10月利上げの可能性のほうが高いとの見立てを示しています。

木村氏が円高転換を慎重視する背景には、日本企業による対外直接投資の拡大という構造的な円売り圧力があります。国内の人手不足を背景に、海外で得た利益を国内に還流させるより成長期待の高い海外へ再投資する企業が増えており、円安下でも投資拡大のペースは衰えていないといいます。対米直接投資は製造業に加え小売・金融業にも広がっており、こうした資金フローが中期的な円安圧力として作用し続ける可能性があるとの分析です。

10月に利上げが実施された場合、年内の追加利上げの可能性は限定的で、次の利上げは翌年1月頃、政策金利は1.5%程度まで上昇する見通しとされています。さらに1.75%程度への引き上げ局面に入れば、日本における「中立金利」の水準が市場の焦点になるとみられます。ただし利上げ後にタカ派姿勢を強めれば円キャリートレードの巻き戻しで円高が急進するおそれがある一方、慎重すぎれば円売りが再加速するため、日銀は双方向のリスクの間を進む難しい局面にあるとの指摘もあります。

今後については、米国の雇用やインフレの動向がFRBの利上げ観測に影響し、それが米金利低下とドル売りを通じて円高につながる可能性がある一方、介入だけで大きな流れが変わることには懐疑的な見方も示されています。年末に向けては、日銀の利上げ時期や規模、米国側の金融政策動向、そして対外直接投資という構造要因が絡み合いながら、ドル円相場の方向性を左右していくとみられます。

鈴木 凜
鈴木 凜
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