子育て応援手当の実績アピール、高市首相に前陸前高田市長が疑問
高市早苗首相が8月14日にXで発表した物価高対策の実績アピールについて、岩手県陸前高田市の前市長・戸羽太氏が「つじつまが合わない」と疑問を呈しました。子育て応援手当の経緯や首相の発言姿勢を問題視しています。
高市早苗首相が8月14日にX(旧ツイッター)に投稿した物価高対策に関する一連の発信について、岩手県陸前高田市の前市長・戸羽太氏(61)が疑問を呈していることが分かりました。戸羽氏は東日本大震災の際、市長就任1カ月というタイミングで妻を津波で亡くしながらも、12年にわたり復興の指揮を執った人物として知られています。
問題となっているのは、高市首相が投稿した《物価高対策(1)〜(5)》という5本の連続投稿のうち、(2)の内容です。首相はこの中で「物価高対応子育て応援手当」(子ども一人当たり2万円)について、全ての市区町村で7月末までに支給開始済みであるとし、「多くの方々のお手元に届いているものと考えている」と、高市内閣の実績として強調しました。
これに対し戸羽氏は「つじつまが合わない」と指摘しています。戸羽氏によれば、この子育て応援手当はもともと公明党が主導した政策であり、政府は当初給付を行わない方向で検討していたところ、当時連立を組んでいた公明党が物価高対策としての現金給付を強く主張したことで、2025年の補正予算に組み込まれた経緯があるといいます。その後自公連立は解消しており、この政策を「高市内閣の成果」とすることに違和感があると戸羽氏は述べています。
戸羽氏はさらに、今年7月に行われた高市首相と公明党・竹谷とし子代表との党首討論の場でのやり取りにも言及しました。竹谷代表が政府の資金効率化プロジェクトから生み出される財源を子どもの貧困対策などに充てるべきだという趣旨の発言をした際、高市首相は「とにかく経済が強くなって成長しなければ、実質的にはそういうお困りの方々をお助けすることもできない」と答えたとされています。
この発言について戸羽氏は、子どもの貧困が深刻な社会問題として認識されている現状を踏まえ、「経済成長を待つ前に、苦しんでいる子の手当てをしなければいけない」と順番の違いを指摘しています。今日の食事に困る子どもたちを支えるボランティアの子ども食堂の存在なども挙げながら、首相の発言の本心を問う姿勢を示しました。
自身も震災遺族であり、市長として12年間復興に携わった戸羽氏は、「立場の弱い人たちにどう手を差し伸べるか」が政治家にとって最低限かつ究極の目的だと断言しています。経済的に困っていない層は政治の状況にかかわらず生活に困らないとした上で、「一国の総理大臣が、弱者に寄り添うスタンスをまったく持っていないと感じられる」ことが問題の本質だと訴えています。
高市首相の物価高対策に関する発信をめぐっては、実績の帰属や政策の背景説明が十分であったかを問う声が今後も出てくる可能性があります。子育て応援手当をはじめとする支援策の実効性や、政権として弱者支援にどう向き合っていくかについて、引き続き注目が集まりそうです。

