米国務省、イラン戦争で退避の中東大使館職員を復帰へ
米国務省はイランとの緊張激化を受けて退避させていた中東地域の一部在外公館への職員復帰を開始します。関係者によると今週中にも一部職員が復帰する見通しです。
ロイターは25日、事情に詳しい関係者2人の話として、米国務省がイランとの緊張激化を受けて退避や人員縮小の措置を取っていた中東地域の一部在外公館への職員復帰を開始すると報じました。復帰の対象となる公館には、レバノン、イスラエル、サウジアラビア、イラクのバグダッドの各在外公館が含まれるとされています。
関係者によると、サウジアラビアの首都リヤドの公館については、職員本人だけでなく家族の帰任も認められる見通しです。一方で一部の大使館は当面、通常より少ない人員体制での運営が続く方針とみられます。関係者の1人は、早ければ今週中にも一部職員の復帰が始まる見通しだと語ったとロイターは伝えています。
米国は2月28日にイスラエルと共同でイランへの攻撃を開始した後、中東各地の大使館から職員を退避させました。サウジアラビアやクウェートなど湾岸アラブ諸国の一部の大使館はイランから攻撃を受け、クウェートの大使館は一時閉鎖を余儀なくされた経緯があります。
その後、大規模な戦闘は収まったものの、米海軍によるイラン港湾の封鎖は続いているとされます。石油輸送の要衝であるホルムズ海峡は閉鎖状態が続き、戦争終結に向けた外交努力も停滞している状況が伝えられています。今回の職員復帰の動きは、イランとの紛争が短期的に再びエスカレートするリスクは低いと米政府が判断していることを示唆するものとみられます。
米国務省の報道官はロイターに対し、世界各地の在外公館の安全態勢を常に見直していると説明し、「最新の評価に基づき、中東の一部拠点における人員配置を調整し、職員の安全を確保しつつ、米国の外交政策目標の推進の継続を可能にする」と述べたとされています。
米紙ニューヨーク・タイムズはこれに先立ち、国務省の内部文書を基に外交官の復帰と緊急措置の縮小について報じており、ヨルダン、オマーン、クウェート、カタールの大使館も人員復帰の対象になる見通しだと伝えていました。
今後は、実際に復帰する職員数や地域ごとの体制の変化が注目されます。イランとの緊張が完全に解消されたわけではなく、ホルムズ海峡の封鎖状態や戦争終結に向けた外交努力の停滞が続く中、米国政府が中東政策をどのように進めていくのか、引き続き関係国の動向が注視される見通しです。

