クマ被害対策の最前線、AI・ドローン・オオカミ型ロボット導入進む
クマによる被害が相次ぐ日本で、AIやドローン、オオカミ型ロボットを活用した対策が広がっていると海外メディアが報じました。
日本各地でクマの出没や被害が課題となる中、AI(人工知能)やドローン、オオカミの姿を模したロボットなど、先端技術を用いた獣害対策が進んでいることが分かりました。オーストラリアのニュースメディア9Newsが、日本におけるこうした取り組みを取り上げて報じています。
報道によれば、クマの接近をAIが画像や音などから検知し、住民や自治体に警告を発する仕組みや、ドローンを使って山中や集落周辺の状況を上空から把握・監視する取り組みが各地で広がりつつあるとみられます。人が立ち入りにくい山間部の状況をリアルタイムに近い形で確認できる点が、こうした技術活用の利点として挙げられています。
特に注目されているのが、オオカミの姿や動きを模した「オオカミ型ロボット」の存在です。かつて日本の生態系で頂点捕食者として存在していたオオカミを模すことで、クマなどの野生動物に警戒心を抱かせ、人里への接近を思いとどまらせる狙いがあるとみられます。音や光、動きを組み合わせて威嚇する仕組みが取り入れられていると報じられています。
背景には、近年の日本国内におけるクマの出没件数増加や、人身被害への懸念の高まりがあります。里山の管理が行き届かなくなったことや、山中の食料事情の変化などが出没増加の要因として指摘されることが多く、従来の電気柵や捕獲檻といった対策だけでは十分に対応しきれない場面も出てきているとみられます。
こうした状況を受け、自治体や関係機関の間では、テクノロジーを組み合わせた多層的な対策への関心が高まっているとみられます。人手による見回りやパトロールに加え、AIによる自動検知やドローンによる広域監視、ロボットによる威嚇といった手段を組み合わせることで、限られた人員でも広い範囲をカバーしやすくなる点が期待されています。
一方で、こうした先端機器の導入には費用や運用体制の整備が伴うほか、実際の効果検証にはなお時間がかかるとみられます。AIの検知精度やロボットの威嚇効果がどの程度持続するかについては、今後の運用実績を踏まえた検証が必要になるとみられ、現時点では試行錯誤の段階にある地域も少なくないとみられます。
今後については、こうしたAI・ドローン・ロボットを活用した獣害対策が、クマ以外の野生動物による被害対策にも応用されていく可能性があります。人口減少や高齢化が進む地方において、限られた人的資源で獣害対策を続けていく上で、テクノロジーの役割は今後さらに大きくなっていくとみられます。
