アンソロピック、アカマイと18億ドルのクラウド契約締結
AI開発企業のアンソロピックが、CDN大手アカマイと18億ドル規模のクラウドサービス契約を締結。急拡大するAI需要への対応を図る。
AI開発企業のアンソロピック(Anthropic)が、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)大手のアカマイ・テクノロジーズと総額18億ドル(約2700億円)規模のクラウドサービス契約を締結したことが明らかになりました。この大型契約は、生成AI分野で急速に拡大するコンピューティング需要に対応するためのインフラ強化策として注目されています。
契約期間は複数年にわたるとされ、アンソロピックが開発する大規模言語モデル「Claude」シリーズの運用基盤として、アカマイのクラウドコンピューティングサービスを活用することが主な内容となります。アンソロピックは2021年に元OpenAI研究者らによって設立された企業で、AI安全性を重視した生成AIの開発で知られています。
アカマイにとって、この契約は同社のクラウド事業拡大における重要なマイルストーンとなります。従来はCDNサービスで知られる同社ですが、近年はエッジコンピューティングやクラウドサービスへの事業領域拡大を進めており、今回の大型契約はその戦略の成果といえます。18億ドルという契約規模は、アカマイの年間売上高の約半分に相当する規模です。
AI業界では、ChatGPTをはじめとする生成AIサービスの普及に伴い、大量の計算リソースを必要とするインフラ需要が急激に増加しています。特に大規模言語モデルの学習と推論には膨大なGPUリソースが必要で、AI企業各社はクラウドインフラの確保が事業拡大の重要な要素となっています。業界関係者によると、AI向けクラウドサービス市場は今後数年間で年平均成長率30%を超える勢いで拡大するとみられています。
アンソロピックは昨年、グーグルから最大20億ドルの投資を受けるなど、資金調達を活発化させており、今回のインフラ投資もその一環と考えられます。同社は「Constitutional AI」と呼ばれる独自の手法で、より安全で制御可能なAIシステムの構築を目指しており、エンタープライズ市場での展開を加速させています。
今回の契約締結により、AI分野における競争がさらに激化することが予想されます。マイクロソフト・Azure、アマゾンAWS、グーグル・クラウドなどの大手クラウドプロバイダーに加え、アカマイのような従来型インフラ企業もAI需要の取り込みを強化しており、クラウドインフラ市場の構造変化が加速する可能性があります。アンソロピックとアカマイの提携は、AI企業とインフラプロバイダーの新たな協業モデルとして、業界全体に影響を与えるとみられています。
