内閣府が19日発表した2026年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算で2.1%増となりました。プラス成長は2四半期連続で、市場予想を若干上回る結果となっています。
成長を牽引したのは輸出の回復です。世界経済の持ち直しを背景に、半導体関連製品や自動車部品などの輸出が堅調に推移しました。特に対アジア向けの輸出が好調で、サプライチェーンの正常化が進んでいることが確認されました。輸出は前期比で増加し、GDP成長率を押し上げる主要因となりました。
一方、内需については個人消費が横ばい圏内で推移しています。賃上げの効果が徐々に現れているものの、物価上昇の影響もあり、消費者の節約志向は依然として根強い状況です。設備投資についても、企業の慎重姿勢が続いており、大幅な増加には至りませんでした。
名目GDPは前期比0.8%増、年率換算で3.2%増となりました。実質成長率を上回る伸びとなったのは、デフレーター(物価指標)の上昇が影響しています。エネルギー価格や食料品価格の高止まりが、名目成長率を押し上げる要因となっています。
金融市場では、今回のGDP発表を受けて日本株は一時的に上昇しましたが、その後は利益確定売りに押される展開となりました。日経平均株価は60,370.73円と前日比445.22円安で取引を終えており、好調なGDPデータにもかかわらず株価は下落しています。
専門家からは、輸出主導の成長パターンが鮮明になっているとの指摘が出ています。ただし、持続的な経済成長のためには内需の回復が不可欠であり、特に個人消費の底上げが課題となっています。政府の経済対策の効果や、企業の賃上げ動向が今後の成長を左右する要因として注目されています。
今後の見通しについては、輸出環境の改善が続く一方で、内需の回復ペースが焦点となります。4~6月期以降も緩やかな成長が続くとの見方が多い中、インフレ圧力や為替動向、国際情勢の変化など、下振れリスクにも注意が必要な状況が続くとみられます。
