防災庁の設置を定めた法案が19日、衆議院本会議で可決されました。与党の自民党と公明党に加え、野党の一部からも賛成票を集め、賛成多数で通過したとみられます。法案は参議院に送られ、今国会中の成立が有力視されており、政府は11月の防災庁発足を目指すとしています。
防災庁は、これまで内閣府や国土交通省、総務省消防庁などに分散していた防災関連業務を一元化する新組織です。職員数は約2000人規模で調整されており、災害対応の司令塔機能を担うことになります。自然災害の激甚化や頻発化を受け、より迅速で効率的な災害対応体制の構築が求められていました。
新組織では、災害予防から応急対応、復旧・復興まで一連の防災業務を統括します。特に大規模災害時の初動対応については、現在の縦割り行政の弊害を解消し、関係省庁間の連携を強化する狙いがあります。また、地方自治体との連携体制も再構築し、情報共有システムの統一化も進める予定です。
法案審議では、既存組織との役割分担や予算配分について質疑が交わされました。業界関係者からは「長年の課題だった防災体制の一元化にようやく道筋がついた」との評価の声が上がる一方、組織統合に伴う混乱を懸念する指摘もあります。政府は移行期間中の業務継続性確保に万全を期すとの方針を示しています。
防災庁の設置費用は初年度で約300億円と推計されており、既存の防災関連予算の統合により捻出される見通しです。人員については、関係省庁からの配置転換を中心に体制を整える計画で、専門性を持つ職員の確保が課題となっています。
参議院での審議日程は今後調整されますが、与党は今月中の委員会審議開始を目指しています。野党側も防災体制強化の必要性については概ね理解を示しており、大きな対立は生じにくいとの見方が強まっています。順調に進めば6月上旬には参院本会議での採決が行われ、今国会での成立が実現する公算が高くなっています。
防災庁が設置されれば、日本の災害対応体制は大きく変わることになります。来年以降本格化する南海トラフ地震や首都直下地震への備えも含め、新組織には高い期待が寄せられており、11月の発足に向けた準備作業が本格化することになります。
