2040年に日経平均「24万円」到達も 野村アセットが予想、その根拠とは
野村アセットマネジメントのシニアストラテジスト・石黒英之氏が、2040年の日経平均株価が24万円に到達する可能性を提唱。長期的な企業改革や経済成長がその根拠として挙げられている。
野村アセットマネジメントのシニアストラテジスト・石黒英之氏が、2040年の日経平均株価が24万円に到達する可能性があるとの見通しを示し、市場関係者の間で注目を集めています。2026年7月5日時点で日経平均株価は69,744.07円(前日比+1,010.92円、+1.47%)と堅調な推移を見せており、この水準を起点に今後14年間でさらなる大幅上昇が見込まれるという内容です。
24万円という数字は、現在の水準から約3.4倍に相当します。一見すると大胆な予測に映りますが、その背景には日本企業のコーポレートガバナンス改革の進展、株主還元の拡大、そして企業収益の構造的な改善があると分析されています。東京証券取引所が近年推進してきた「資本コストや株価を意識した経営」の要請が、中長期的に企業価値の底上げにつながるとの見方です。
また、マクロ経済の観点からは、日本経済が長年の「デフレマインド」から脱却しつつある点も重要な要因として挙げられています。賃上げの定着とインフレの安定的な継続が実現すれば、消費や設備投資が活発化し、企業業績の持続的な拡大につながるとみられます。実際に2024年以降、春闘での賃上げ率は複数年にわたって高水準を維持しており、構造変化の芽が育ちつつあるとの評価も広がっています。
一方で、為替動向も株価の行方を左右する重要変数です。現在のドル円レートは1ドル161.34円と円安水準にあり、輸出企業の業績を下支えする側面があります。ただし、円安の長期化は輸入コストの押し上げを通じて企業や家計の実質的な購買力を圧迫するリスクもあり、為替水準の安定が長期的な経済成長の鍵を握るとの指摘も専門家の間では根強くあります。
歴史的に見ても、日経平均は1989年のバブル期に記録した最高値をおよそ35年越しに更新し、現在の水準まで回復してきた経緯があります。この長期的な回復軌跡は、日本経済の底力と企業の変革能力を示す一例ともいえます。市場関係者の中には、過去の「失われた30年」を経て、日本株が新たな成長フェーズに入りつつあるとの見方も出ています。
もっとも、2040年という長期予測には不確実性が伴うことも事実です。地政学リスク、少子高齢化による労働力不足、グローバルな景気変動など、日本経済を取り巻く課題は依然として山積しています。また、テクノロジーの急速な進化が産業構造を大きく塗り替える可能性もあり、現時点での予測通りに進まないシナリオも十分に想定されます。
今後の焦点は、企業改革と賃上げの定着が日本経済の「好循環」として機能し続けるかどうかにあります。政府・日銀・企業が一体となって生産性向上や人的資本投資を推進できれば、長期的な株価上昇の土台となり得るとみられます。投資家にとっては、短期的な相場の波に左右されつつも、こうした長期的な視点を持ったポートフォリオ戦略が一層重要になってくる局面といえそうです。
