「国旗損壊罪」参院委で実質審議入り 政治的抗議は免責対象か焦点に
与野党の対立解消を受けて国会審議が再開し、国旗損壊罪を新設する刑法改正案の実質審議が参議院委員会で始まった。政治的抗議行動への適用範囲をめぐり、与野党間で議論が続いている。
長期化していた与野党の対立が解消され、国会審議が正常化した9日、参議院の法務委員会において「国旗損壊罪」の新設を柱とする刑法改正案の実質的な審議が始まりました。今国会の残り会期は1週間あまりとなっており、会期末に向けて複数の重要法案が一斉に審議の山場を迎えています。
国旗損壊罪をめぐっては、政治的抗議活動の一環として日本国旗を損壊した場合に、「他に手段がなかった」と認められるケースでは免責される可能性があるとの解釈が、審議の中で示されています。この「違法性阻却」の考え方については、どの範囲の行為が免責対象となるかが今後の焦点となっており、委員会では与野党の委員から具体的な事例を想定した質疑が相次ぎました。表現の自由との関係や、海外での国旗に関する法規制との比較なども論点に上がっているとみられます。
国旗損壊罪の新設については、外国の国旗を損壊した場合を罰する規定(刑法第92条)がすでに存在する一方、日本国旗の損壊については明文の罰則がないという法的バランスの問題が立法の背景として挙げられています。推進側は「国の象徴に対する敬意を法的に担保する必要がある」との立場をとる一方、慎重派は「政治的表現活動を萎縮させるリスクがある」と懸念を示しており、審議は慎重な議論が求められる展開となっています。
一方、皇室典範の改正案については、10日にも衆院本会議で採決が行われる見通しです。ただし、中道勢力が修正を求めているのに対し、自民党側が「のめない」との姿勢を維持しているとの報道があり、最終的な賛否の行方は流動的な側面も残っています。採決が予定通り行われれば、今国会での成立に向けて参院での審議に移ることになります。
衆院の定数削減法案については、自民党が野党側に「継続審議」とする方針を伝えたことが明らかになっています。日本共産党の塩川氏は継続審議ではなく廃案にすべきだと主張しており、定数削減をめぐる各党の対応は引き続き分かれています。定数削減は長年にわたって議論が積み重なってきたテーマであり、今国会での決着は見送られる公算が高まっています。
今国会の会期末は7月中旬とみられており、残る審議日程は限られています。国旗損壊罪の新設法案が会期内に参院での採決まで至るかどうかは現時点では不透明な部分もあり、審議の進捗次第では継続審議となる可能性も排除できません。与野党の協調がどこまで維持されるかが、複数の重要案件の行方を左右する鍵となりそうです。
